太田述正コラム#3199(2009.4.7)
<皆さんとディスカッション(続x449)>

<SS>

 実名告発防衛省届きました。
 帯の太田さんの顔写真が渋くて、ハードボイルドタッチなのに驚きました。
 IHIが出した見積額が52億。太田さんの折衝で18億にコストダウン、それにまつわる圧力の話。冒頭から引き込まれましたが、長電話が入り三時間ほど電話につき合ってしまいました。orz
 税金がこんな形で消えていくなんて、空しい限りですわ。
 途中で抜いている奴を殴ってやってくださいな。(もち、言論でこれからもという意味です。)

<太田>

 拙著をお買い上げいただき、ご愛読いただいているようで、まことにありがとうございます。
 写真については、厳しい目つきの写真を撮ってくれとカメラマンに注文した金曜日、腕の良いカメラマン(わずか20数枚撮影した中の1枚)、うっかりしてメガネをかけ忘れてしまった私、の「成果」です。

 ご感想についてですが、随契で役所からできるだけたくさんカネを巻き上げようとする企業も、思いやり経費を日本政府からできるだけたくさん巻き上げようとする米国政府も、その限りにおいては非難することはできません。
 このような企業も米国政府も、法律や条約違反を犯しているわけではありませんし、それぞれ株主、納税者に褒められこそすれ、叱られるようなことはしていないからです。
 よって私は、「途中で抜いている奴」より、日本の納税者にとってたまったものではないところの、このような、途方もない税金の無駄遣いをもたらしているシステムそのものを糾弾し、壊滅させようとしているわけです。
 私が、政官業癒着体制の解消や日本の米国から「独立」を唱えているのは、そのためなのです。
 
<Αααα>(「たった一人の反乱」より)
 
≫このmasa_the_man って何者なんですか、救いがたいほどの妄論ばかり吐いてますねえ。≪(コラム#3195。太田)

 おー、本格の地政学者にケンカ売りますか。
 これは見ものですねえ。
 とりあえずオータは妄論呼ばわりするなら典拠出さないと。

→「ディスカッション」では典拠つけるもつけないも私の自由(コラム#3197)。過去のコラムをちゃんと読んで欲しいって気持ちもある(後述)。
 そもそも、英語典拠だって訳さずに切り貼ってんだろ。全部ちゃんとやってたら、「ディスカッション」1篇書くだけで1日終わっちゃうわな。
 なお、私の地政学観については、コラム#239、240をどうぞ。(太田)

<αΑαα>

 さすがw。
 揚げ足取る時の壷住人はハンパないぜ。

 そう言えばブログで太田述正批判してる連中のサイト眺めていると、庶民の王様、Iさん率いる某団体を賛美してたり、その団体を批判してる奴を必死で叩いてたりしてとっても不思議な感じ。

<ααΑα>

 <太田の>過去のコラムが典拠だろ。

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≪太田のコメント≫

 一般論としてはその通り。
 だけど、masa_the_man が言ってることがおかしいなんてこと、それほど私の過去コラムを読み込んでない人でも分からなくっちゃ困るんだな。

 米国は、その安保・外交政策を自分の国益の観点から推進しているのであって、属国日本の「国益」の観点から推進しているわけではないってことくらい分かるよね。
 戦後日本が主権を回復した時点においては、米国はその統治下にあった沖縄に米軍を駐留させる必要はあったけれど、日本本土に米軍を駐留させる必要はなかった。(現在は沖縄を含め、駐留させる必要はない。)
 ところが、当時の吉田を首班とする日本政府の懇願があり、米国は、日本本土に米軍を駐留させることとし、現在に至っているわけだ。
 一方、当時、米国にはバンデンバーグ決議ってのがあった。
 この決議は、米国が外国の国に軍事的援助等を与えるにあたっては、当該国が継続的かつ効果的な自助努力、すなわち防衛努力、を行うことを条件とすべきことを求めたものだ。
http://www.ne.jp/asahi/nozaki/peace/data/etc_word.html
 現在日本に自衛隊があるのは、防衛努力をしているというフリを米国に対してする必要があったためだけだ、と考えてくれたまえ。
 日本は自衛隊を維持増強する(フリをする)義務を米国に対して負っているってことよ。
 ヒラリーは、要するに、自衛隊があるのは米国に対する義務(ないしは見せ金)としてだけではなく、本来それは日本を守る権利を担保するためにあるんだわよ、と言っているわけさ。
 だから、masa_the_man は権利→義務、とヒラリー発言を「深読み」する妄論を吐いたわけだけど、ヒラリーは、当たり前のことを言っているだけだと「素直読み」すべきなのよ。

 この関連で、繰り返しを厭わず言っておくけど、だからと言って日本に駐留している米軍は日本を守るためにいるわけじゃないんだなあ。あくまで米国の国益・・つまりは米国の世界戦略・・のために駐留しているのさ。そして、その反射的利益として属国日本は米国によって守られているに過ぎないってことなんだ。
 テポドン2発射がらみで縷々説明してきたように、日本に駐留している部隊を含め、米軍は、必要に応じて(北朝鮮を含む)敵性地域を攻撃できる態勢を維持するために、在日米軍基地やグアム/ハワイ/アラスカの米軍基地を北朝鮮等の弾道ミサイル攻撃から守る必要があるんだな。
 (注意書き:米国は日本と違って核攻撃の脅威から自国民を守らなければならないと真剣に考えているので、ノドンの脅威よりテポドン2の脅威の方が(相対的に)はるかに大きいと考えている。)
 米国は、自衛隊を単なる見せ金にしておくのはもったいないと、海上自衛隊にSM3搭載イージス艦を持たせたり、航空自衛隊にPAC3を持たせたりして、それぞれ、日本領域外と日本領域内の米軍基地を、テポドン2等とノドン等の攻撃から守らせようとしているんだ。
 このようにして米軍が守られるであろうことの反射的利益として、日本が守られているってわけなんだ。
 ヒラリーは、自衛隊は、このように米軍を守ることで間接的に日本を守ることに加えて、直接日本を守ってもよいし、そもそも日本にはその権利がありますよ、という当たり前のことを言ってるってこと。 

 何か質問ある?
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<αααΑ>

http://geopoli.exblog.jp/
の中の妄論はどれで、それに対する典拠は太田ブログのどこにあるの?
 それぞれURL出してよ。

→すぐ上の≪太田のコメント≫を参照してね。(太田)

<ΑΑαα>

 たとえば、9.11陰謀論を読んで<masa_the_manは>ダミダコリャとおもた
http://geopoli.exblog.jp/10125905/
 おーたんは確か「ディスカッション」で<米国に関しては積極的>陰謀論はありえないって言ってたね。とりあえず安心した。

 ところで、おーたん、理系記事を紹介するときだけど、
 …が解明されました。

 …が解明されましたという論文が発表されました。
の違いは分かってる?
 前者は教科書に載るレベル。
 後者はこれから検証されるレベル。
 全然違うよ。

→もちろん後者。論文がデータ改竄実験に拠っている場合だってあるし、そもそもノーベル賞が授与された研究が後に誤りであったことが判明したケースすらあるらしいもんね。(太田)
http://www001.upp.so-net.ne.jp/yasuaki/misc/cult/cult17.htm

<ΑαΑα>

 論文発表段階はあくまでも仮説だからな。
 だいたい統計学は研究者の思い込みでいくらでも曲げられる”第3の嘘”だし。

→疫学的証明が証明と言えるかっちゅう議論もあったっけ。(太田)

<ΑααΑ>

 あとからすいませんさん、いいね〜ッ。
 なめきって小ばかにしたような、多分性質故に直らないであろう上から目線(頑固な官僚病…)のおーたんに対し、大人の対応を こつこつとしていますネ。

→匿名、ということは対等の立場で議論をするつもりはないということだ、と考え、そのように対応させていただいてます。あしからず。(太田)

 で、話は変わるが、わかり難いってのは問題がある。
 福沢諭吉も新渡戸稲造も、なんで一般人にまで知られるようになったかというと、過去から延々と続いていた〈閉鎖的な学問病)を批判して、庶民にもわかりやすく説明しようと心を砕いたからなんだ。
 でも、そのためにわかりやすく説明できない学者どもから、通俗的だの浅薄だの非難されていた。
 おーたんには前者の道を歩んで欲しいが、どんなもんだべ。

 ちなみに、福沢は書いた原稿を、家の使用人に読ませて意味がわかるかたずねていたというし、新渡戸も、かねがね「平民にわかるように、平民の言葉で書かねばならない」といっていたそーな。

→で、キミは福沢や新渡戸の書いたものホントに読んで、その上でそう思ったの? それとも受け売りかな?(太田)

 プライドが高くったって別に問題はないし、面倒であれば はしょれば良いし、でも、自分の都合で勝手に解釈(捏造)するのはどうかとおもうが…。

→根拠レスでもプライドをもっているとパーフォーマンスがあがるし、回りの人も好意的に見てくれるらしいよ。(太田)
http://www.nytimes.com/2009/04/07/health/07mind.html?hpw=&pagewanted=print

<おーつか>

 「北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」名目での長距離弾道ミサイル発射について、韓国の情報機関、国家情報院は6日、北朝鮮が米中露3か国に対し、おおよその発射時刻を事前に伝えていたことを明らかにした。
 聯合ニュースが、国会情報委員会の非公開懇談に出席した議員の話として伝えた。
 北朝鮮が日韓両国に対する軽視姿勢を鮮明にするのが狙いだったとみられる。また、この議員は、韓国に対しては米国が情報を伝えた模様だと述べたという。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080115-899562/news/20090406-OYT1T00577.htm

北朝鮮→米中露
米→韓

と正確な発射情報が流れる中、日本だけがハブにされていた模様です。
 米国と伍して発言する韓国には情報を提供するが、宗主国と足をそろえずに勝手な行動をとる属国に出す情報はない、というわけでしょうか。

<太田>

 朝鮮日報にも同様の記事が出てました
http://www.chosunonline.com/news/20090407000019
が、どちらの記事でも、日本に米国は伝えなかったとは書いてないですよ。

 本日のテポドン2発射関係の記事です。

 「・・・カートライト米統合参謀本部副議長は6日の記者会見で、・・・「北朝鮮は、多段式(ミサイル)に移行する技術を追求したが、失敗した」と述べ、ミサイル実験としても「失敗」だったとの認識を示した。 副議長は2段目と3段目の落下場所は「非常に近い」とし、「落ちた物体は原形をとどめていなかったようだ」と述べた。」
(2009年4月7日11時33分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080115-899562/news/20090407-OYT1T00410.htm
 「・・・2段目・3段目ブースターは3200キロ程度離れた場所に落下したものと思われる。韓国航空宇宙研究院の朴政柱(パク・ジョンジュ)博士は、「2段目・3段目ブースターが分離しなかったか、分離したものの3段目がきちんと点火しなかったのが失敗の決定的な原因だとみられる」と語った。・・・
 朴政柱博士は「2段目ブースターの燃焼後、3段目ブースターと連結するボルトが爆破により切断されなければならず、それができなければ2段目・3段目ブースターが一緒に墜落することになる」と語った。
 切り離された3段目ブースターが点火しなかった場合も、2段目とほぼ同じ地点に墜落する原因となり得る。ある衛星専門家は「3段目ブースターは1段目・2段目ブースターとは異なり固体燃料を使用しているが、高度100キロ以上は気温が極めて低く、その状態で固体燃料に点火するのは簡単な技術ではない」と語った。・・・
  3段目ブースターに比べ、1段目・2段目ブースターの欠陥はそれほどではないと分析されている。北朝鮮は、1段目ブースターの落下地点を予報する際前後に75キロ、2段目ブースターの落下地点については前後に400キロの誤差を設定した。趙光来博士は「風の影響を考慮し誤差を持たせたが、(実際の落下地点は)1段目ブースターの場合(誤差の)範囲をやや越え、2段目ブースターは誤差の限界ぎりぎりに収まったと見ることができる」と語った。・・・
 ・・・2段目・3段目ブースターの切り離し技術は、人工衛星打ち上げロケットでは核心技術となるが、弾道ミサイルには必須の条件ではない・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20090407000007

 やっぱ、発射は完全な失敗だったってわけです。

 「・・・<韓国の>韓昇洙(ハン・スンス)首相は6日、国会の答弁で「韓国は米国との合意に従い、ミサイルの射程距離が300キロを超えてはならないという制約を受けている。そんな制約が正しいかどうかを深刻に考えるべき時が来ている」と述べた。韓国は01年に米国とミサイルの射程距離を300キロ、弾頭重量を500キロ以内に制限することで合意している。
 韓国は当時、米国が北朝鮮とミサイルのモラトリアム(凍結措置)で合意し、北朝鮮を国際的なミサイル関連技術輸出規制(MTCR)に加入させるという前提で制約条件を受け入れた。しかし、北朝鮮によるミサイルのモラトリアムは崩壊し、北朝鮮は射程距離3000キロのロケット技術まで見せつけた。韓米ミサイル合意の前提が崩れた以上、北朝鮮によるミサイルの脅威に対抗する韓国のミサイル政策を見直す必要がある。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20090407000004

 タックスヘイヴン(コラム#3192、3194、3198(いずれも未公開))についての記事が2つありました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090406/191100/?top
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7972695.stm

 野球の数理的解析についての記事が2つもありました。
http://www.nytimes.com/2009/04/07/science/07diam.html?hpw=&pagewanted=print
http://features.csmonitor.com/innovation/2009/04/06/are-the-red-sox-playoff-bound-ask-the-mathematician/

 野球好きで理系で英語が出来る人、だれかこれらの典拠等に拠ってコラム書いてくれる人いないかなあ。
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太田述正コラム#3200(2009.4.7)
<核廃絶を目指すオバマ>

→非公開