太田述正コラム#3017(2009.1.6)
<皆さんとディスカッション(続x359)>

<遠江人>

 すっかり遅れてしまいましたが、明けましておめでとうございます。
 新春を迎え皆々様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

 たしか去年の正月は、2007年11月頃のそこまで言って委員会ショックでメール読者が倍増したということもあり、とうとう太田さんの言論が日本に影響を与える段階の入り口にきたのではないか、大きな波がいよいよ来るのではないか、という予感が感じられて、テンションが上がった状態で嬉々として掲示板等に書き込みをしたものです。
 他の読者の皆さんも、そのような予感を感じながら積極的に書き込みをされていたという側面が、多少なりともあったのではないでしょうか。
しかしながら、2008年は2冊の書籍の出版があったにも関わらず、メルマガ読者の数は2500人前後(まぐまぐ読者)で大きく変わることは無く、正直なところ、古参読者の一人として強い危機感を感じています。2007年11月頃からこれだけいろいろなことがあったにも関わらず、この位の読者増で終わっているという現実を前にすると、そう感じざるを得ません。
 これで1年後の正月はどうなっているでしょうか。
 このままでは今年とそう変わらないように思えて、とても楽観的にはなれない、というのが私の正直なところです。
 新年からこんな暗い話で申し訳ないです。
 しかしながら太田さんの言論に得がたい価値を感じているからこそ、そう考えざるを得ないのです。

<マソン>

 あけましておめでとうございます
 本年もよろしくお願いいたします。今年は掲示板にもっと参加して勉強したいとおもっています。
 太田さんや掲示板に参加されるみなさまにとって、よき一年となりますようお祈り申し上げます。

<太田>

 お二人には大変お世話になっております。
 歩みが遅々としているだけで、年々、着実に私の考え方に理解を示される日本人が増えていると思っています。
 今年も引き続きどうぞよろしく。

<マソン>

 イスラエル問題のコラム<#3014(未公開)>で、2006年にヒズボラはイスラエルに負けて、その後、現在に至るまでロケットを発射していない、にもかかわらず、ヒズボラ人気は高まり、ヒズボラ自体より強くなったと多くの人がいっている、という事実を教えていただきました。「多くの人がいっている」のであれば、戦争に負けた後、ヒズボラは強くなったのでしょうね。
 今回、ハマスもおそらくイスラエル軍に負けるのでしょう。しかも壊滅的に負けるのでしょう。でも悲惨な状態が続く限り、過激派は新たにいくらでも生まれてきて、ヒズボラのように強くなるでしょう。
 ということはイスラエルは、新たな過激派が生まれたら、充分に力をつける前にたたくということを繰り返すつもりでしょうか。

<太田>

 自分達に「悲惨な状態」をもたらしたのはイスラエルではなく過激派である、という認識に、ガザ、ひいては(イスラエル居住者を含めた)大方のパレスティナ人が到達する時期は目前だと私自身は思っています。

 それにイスラエル(ユダヤ人)の歴史は古い。
 イスラエル人(ユダヤ人)にしてみれば、イスラム教だって、自分達の宗教をヒントに生まれた、怪しげな新興宗教に過ぎない、という感覚だと思いますよ。
 我々の時間感覚で彼らがやることを云々してみても始まらない、という気もします。
 (それを言っちゃおしまいか?) 

<おさ>

 イスラエルが、ガザへ侵攻しましたが、市街戦になれば、ハマスその他が、仕掛け爆弾を多数残しながら、退却していくでしょう。
 手足を失うイスラエル兵が多数出れば、厭戦気分が、広まるかもしれません。
 ハマスは、勝つことよりも如何にイスラエル兵に損害を出させるかを重点において、行動するのではないでしょうか?

<太田>

 ヒズボラとハマスを取り違えておられたので直しておきました。
 本日の非公開コラムで書きますが、ハマスは、既におっしゃるような戦い方をしています。ただし、それはイスラエル兵にできるだけ損害を与えるということもさることながら、ハマスはガザ市等の人口密集地で、しかも一般市民に紛れ込んでおり、イスラエル兵を誘い込んでできるだけ一般市民(特に女性や子供)を戦闘に巻き込むことで、国際世論の「ヒューマニズム」に訴える、という戦い方なのです。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1052981.html

<コバ>

 <公開されたばかりの>コラム#2592において、オバマがローズベルトのニューディール政策を擁護した、とあるような…。
 オバマのグリーン・ニューディール政策はどのようなものになるのでしょうか。ローズベルトの失策?の轍を踏むことがないように願うばかりです。
 しかし、日本人の中からがガルブレイスのような気鋭の論者は現れないものか…orz
 竹中や八代など強者の論理を押し付けるイデオローグにはうんざりです。
 富者も貧者もいがみ合うことなく、平穏無事に生きられる社会を作ることだって出来るはずだと自分は信じ続けます。

<太田>

 こういう場合は、「竹中や八代など強者の論理」の典拠をつけましょう!

<K1>

 太田先生の御意見には、当然ながら賛否両方の感想を持っています。 
 人は全く同じ考えであるはずもありませんが、時々足りないものがあるのではと感じています。

 年末の太田先生のメルマガに、ソ連の崩壊を予言した学者も評論家もいないとの記述がありました。
 筆者は、預言者はともかく、ソ連を崩壊させた功労者はカーター元米国大統領であるとの評価をしています。
 少々ヒステリックな面はありましたが、オリンピックをボイコットしてまでカーター大統領が西側諸国を結束させた経済封鎖の制裁がボデーブローのように効いて10年後に実ったのです。
 ソ連は、アフガン侵攻後の戦費負担と、経済封鎖で食糧確保に国力を使い果たした。保有金は無くなり、金鉱を乱掘しても間に合わない状態に陥り、掘れば掘るほど金価格は暴落、10年後の89年にとうとう尻尾を巻いてアフガンから撤退せざるを得なかった。
 しかし、ひとたび揺らいだ体制は元に戻らず、パパブッシュと対等に丁々発止と渡り合っていたゴルバチョフもとうとう万歳するほかなかった。

 ソ連がこければアメリカの独壇場となり、ワルシャワ<条約機構>もNATOも役割を終えることに繋がる。そこで米国は次の作戦に出た。
 イラン・イラク戦争を停戦に持ち込み、300万(?)の軍隊を抱え込み、膨大な戦費の借金に喘ぐイラクのフセインをけし掛けて、クエートへの侵攻を女性大使の口を使って囁かせた。
 “閣下がクエートに侵攻しても、米国は口出ししませんよ“と、
 実に巧妙に雑談的にささやかせる奥の手でまんまとフセインを罠に嵌めたのだと筆者は見る。
 パパ・ブッシュの騙し討ちの様な工作(CTA)で湾岸戦争に引き出されて手足(軍は解体され、制空権は分断され)をもがれて身動きできない状態のままで、二代目ガンマン・ブッシュに難癖を付けられ(核開発疑惑)、現在進行中のイラク戦争で止めを刺された。 フセインは人道の罪で葬られたが、現状を見れば、米国はフセインの残したイラクに返り討ちに遭ったに等しい状況である。
 ジョージ・ブッシュは、長州攻めを仕掛けながら最後はトンずらした15代将軍の徳川慶喜と同じ鐵を踏んだと映る。

 以上は、太田先生の見立てと異なる筆者の見た夢であります。

<太田>

 初夢だと言われちゃどうしょうもないけど、とにかく典拠つけましょうね。

<Chase>(http://blog.zaq.ne.jp/fifa/article/144/

 太田述正氏に恐れ多くも英文の添削いただいた(コラム#3015)。深く感謝申し上げます。

<太田>

 どういたしまして。
 私の属国論についても、典型的なコラムを選んで英訳していただけるとありがたいですね。
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太田述正コラム#3018(2009.1.6)
<イスラエルのガザ攻撃(続x5)>

→非公開