太田述正コラム#2944(2008.11.30)
<皆さんとディスカッション(続x322)>

<コバ>

 インド同時テロについて思うのですが、米国が行っている「テロとの戦い」のおかげで、世界各国におけるテロの頻度は減少しているのでしょうか?
 コラム#0248によれば、米国や英国ではほとんどテロ行為が起こせなくなっているので、他国でのテロ事件が目立つ形になっているのか…。
 突発的に、無差別に人を殺す暴力に、鈍感にニュースを見ることしか出来ない無力感にさいなまれるこの頃です。

<太田>

 ムンバイでのテロは、ユダヤ人施設も標的にされたことで、それが近代そのものを標的にしているところの、イスラム過激派によるものであることがはっきりしました。
 申し上げるまでもなく、ムンバイは世界最大の民主主義国家の経済・金融・文化(とりわけ映画)の中心です。
http://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-rutten29-2008nov29,0,3748515,print.column
(11月30日アクセス)

 テロリストによって殺害されたのは195名、傷を負ったのは295名。テロリストは10名でうち生存状態でつかまったのが1名、インドの警察ないし軍の死亡数の合計は明らかにされていない、というのが最新の数字です。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/11/29/AR2008112900858_pf.html
(11月30日アクセス)

 ところで、ちょっと意外でしたが、テロ事件が減っているのか増えているのかについて、データがすぐ見つけられません。
 見つけた方がいらっしゃったら、ご教示ください。
 なお、「冷戦終焉後、世界は平和になった」というコラム#914を2005年に書いたところです。

<SSS>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x

 太田「・・・となると米国の本当のねらいは、六カ国協議に参加することで世界のハト派を籠絡しつつ、この協議が実質的成果を生み出さないままの状態を継続させ、北朝鮮を自壊させるか、耐えられなくなった北朝鮮に核実験でもさせて世界世論を敵に回させた上で、米国主導で経済封鎖、更には軍事力行使を行って北朝鮮の体制変革を実現する、ことであると思われます。」 (コラム#170、2542)

 で、いつ頃アメリカは北に軍事行使するんでやんすか w
 オバマ政権ですかい?
 その次のヒラリー政権ですかい?

<TTT>(同上)

 太田は英米の専門家を自称してるから、逆に英米に関しては客観的に見れていない。
 英米が好きなのは伝わるが。

<UUU>(同上)

 青木直人スレとこっちと両方見てるけど
 北朝鮮に関しては青木のアメリカ観のほうが圧倒的に説得力があるな。

<太田>

 焦るな諸君、夜明けは近い。
 北朝鮮(開城)観光の北朝鮮人観光ガイドとのやりとりの話を読む
http://www.chosunonline.com/article/20081129000018
http://www.chosunonline.com/article/20081129000019
(どちらも11月30日アクセス)

と、1988年に東独(東ベルリン)観光を英国防大学のツアーで行ったときの東独人ガイドとのやりとりを思い出します。翌1989年にはベルリンの壁が崩壊しました。
 北朝鮮人ガイドには(失職の危険に直面しているということだけでも)憐憫の念しか覚えませんが、東独人ガイドには一種敬意の念を覚えました。
 前者は最も失敗した共産主義体制の末期、後者は最も成功した共産主義体制の末期、という違いがその背景にあると思います。
 ちなみに、史上最も成功した社会主義体制は、戦時中からつい最近にかけての日本型政治経済体制でした。

<サヨク>

 コラム#2577「竹山道雄抄」を読みました。

「キリスト教思想が様々に形を変えて鋳だされる」という竹山の考えは、とても示唆的です。サイエンスもまたそんな風に形を変えたキリスト教思想の顕れと言えないでしょうか?

<太田>

 少しはご自分で調べてから投稿しましょう!
 私は、演繹(合理論)科学の発祥はギリシャ、帰納(経験論)科学の発祥はイギリスであり、キリスト教は基本的に科学の発展を阻害したと考えています。
 現時点で、いまだにキリスト教(等一神教)の教義を信じているような科学者は、2流以下の科学者である、と言ってよいでしょう。

<NH>

 <次期会費、>遅れました<が振り込みました>。
 日本近代歴史認識に感銘しています。

<太田>

 引き続き、太田コラムをよろしくお願いします。
 このところようやく、私なりの世界近現代史観(日本の近現代史観を含む)が概成した感があります。
 もっともらしい、と思っていただき、心強いです。
 若干の補足作業が必要ですが、どっかの出版社で出版してくれないですかねえ。

 さて、いつもの記事の紹介です。

 「還暦を迎えた沢田研二さんのコンサート「人間60年・ジュリー祭り」が29日、・・・開かれた。ザ・タイガースのボーカルで1967年にデビュー。・・・第2部の9曲目に、最新アルバムに収録されている自作詞の憲法9条賛歌「我が窮状」を披露。スタンドに1100人のバックコーラスを従える演出で、「我が窮状 守りきりたい」と歌い上げ、ファンも合唱した。」
http://www.asahi.com/showbiz/music/OSK200811290115.html
(11月30日アクセス。以下同じ。)
 これぞまさしく奴隷の歌声ってやつです。
 9条は、(他人への)隷属と(他人のために何もしないという)エゴイズムの象徴なんだけどね。
 本人、どんなにはずかしいことをしているのか、分かってないんだろうな。

 この関連で、中共当局の対日認識を伝えた産経の報道は面白いですね。ご一読あれ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081130/plc0811300250003-n1.htm

 「・・・大宇の発表などによると、同社はマダガスカルで百二十万ヘクタール規模の農地を期間九十九年のリース契約で確保した。南アフリカから労働者を入れ、年間五百万トンのトウモロコシとパーム油を生産する。韓国のトウモロコシ輸入量の約半分をマダガスカル生産に置き換える計画だ。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008113002000092.html
 英米での報道
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1861145,00.html
(11月24日アクセス)
より1週間も遅いですね。
 まあ、今に始まったことじゃないけど・・。
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太田述正コラム#2945(2008.11.30)
<米国の創世記(その2)>

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