太田述正コラム#2930(2008.11.23)
<皆さんとディスカッション(続x315)>

<SK>

 コラム#2928の麻生内閣の記述にも関連する事と思うのですが、麻生内閣がとんでもない法案を通そうとしております。
 ご存知かと思うのですが、国籍法改正案です。

「日本人父と外国人母の婚外子、国籍取得要件から「婚姻」外す」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/081104/stt0811041103002-n1.htm
国籍法改正問題で慎重審議を申し入れ 有志議員32人
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/081114/stt0811142028003-n1.htm
国籍法改正案審議入り 不正認知横行の懸念も
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/081115/stt0811150054000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/081115/stt0811150054000-n2.htm
「偽装認知の危険あり」 国籍法改正案に反対の議連結成
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/081117/stt0811172215005-n1.htm
【主張】国籍法改正 不正排除へもっと議論を
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081120/plc0811200323003-n1.htm

 最近は色々なメールマガジンで取り上げられる事が多くなってきておりますが、太田さんはどう思われますか? 遅くに失した感もあります。

 麻生内閣は北朝鮮テロ支援国家指定解除の時に抗議らしい抗議はしていません。
 台湾での従軍慰安婦問題で決議を防止できませんでした。
http://www.nhk.or.jp/news/k10015311931000.html#
 最初は期待していたのですが、何も出来ないですね。村山談話も継承しましたし、
 今回は国籍法改正です。こんな事なら、早期の総選挙をして欲しかったです。
政権交代が必須です。

<unimaro>

http://nari1967.iza.ne.jp/blog/entry/805886/
(抜粋)
 妊婦の場合、子供が成人するまで20年掛かります。
 しかし出産後の認知の場合、20未満の子供なら誰でも認知できるので、19歳11ヶ月の子供も認知すれば日本国籍を得て、1ヵ月後には選挙権が得られるのです。

 たぶん筋書きはこうです。
 衆院選、参院選でこっそり出産後認知を認める法案を通す
(もちろんDNA鑑定なし、1人の男性が何人でも認知可能のザル法で)
→法律制定→ 一斉に、中国人1億2千万人に国籍付与(19歳11ヵ月と偽って!)→1ヵ月後、日本乗っ取り完成!

 1億2千万人以上の中国人に一斉に選挙権を付与してしまえば、それで日本が乗っ取れてしまう。
 彼らが選挙に参加すれば衆院選で圧倒的多数で与党が取られてしまうからです。
 彼らはゆっくり何十年も掛けて日本を乗っ取るつもりなんて無かったんです。
 5年以内に片をつけるつもりだった。しかも一発のミサイルも砲弾も撃つことなく、内部から乗っ取るつもりだったんです。

 そしてもう一つが二重国籍です。

 たぶんこれを画策した人間は二重国籍も同時に通すつもりだったと思います。
 二重国籍があれば中国にいながらにして日本を乗っ取れた。
 日本に入国する必要さえなかったんです。
 二重国籍が無くても中国にいながら在外選挙権を行使しても良かったでしょうが、あればなお良い、と言うところでしょうか。
 ・・・
 まさに「国家反逆罪」です。

<太田>

 私が拙著や過去のコラムで書いたことにひっかけない形で新しい問題提起をされても、私にはお答えをする義務はありません。
 以下は出血大サービスですよ。

 現行の国籍法が違憲であるとの判決が確定した以上、それに沿った法律改正を早急にしなければならない、その場合、従来の、出産前の認知と異なった(例えばDNA鑑定なる)認知手続きを出産後の認知に適用する理屈が立たない、ということから、今回衆議院を通過したような案に国籍法改正案がなった、ということでしょう。
 付帯決議で、DNA鑑定導入の検討が謳われているようなので、それで十分だと私は思います。
 どんな法律改正でもメリットばかりではありませんが、実際に施行してみて、デメリットが大き過ぎることが分かったら、再度法律改正をすればよい、というだけのことです。
 第一、日本は憲法すら規範性をなくしてしまって平気なお国柄ですよ。
 法律なんて、(私はいいことだとは思わないけれど、)役人のさじ加減(行政裁量)に、法律をどのように運用するかが大幅に委ねられています。
 改正後の国籍法についても、圧倒的多数の日本国民の(呆れかえるほかない)外国人排斥感情に十分配意した運用が行われることでしょう。
 それほど心配する必要はありませんよ。

<コバ>

 沖ノ鳥島にサンゴを移植して、水没から防ごうという試み(
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081122-00000033-yom-soci
)があるようですが、安全保障の観点からすれば、この試みはどれだけ意義があるのでしょうか?

<太田>

 これも、お答えをする義務はありません。
 少なくとも、ご自分でもう少し調べてごらんなさい。

<moshika>

≫遠江人さんの「ナショナリズム」と「郷土愛」と「命をかけて公のために働く
ということ」の区別についてお教え願えませんか?≪(コラム#2924。moshika)

 太田さん(コラム2924)、遠江人さん(コラム2926)、ご返答ありがとうございます。
 自民党は、ナショナリズムを「命をかけて公のために働」いた人々への敬意や、素朴な「郷土愛」と混同してしていて、靖国参拝などを、「支配の正当化」としてナショナリズム的に使っている。むしろ先頭を切って国家破壊、郷土破壊をしているのは自民党である、といったところでしょうか。
 (以上の部分、手を入れさせていただきました。(太田))

 ところで、「朝生」で田母神問題を扱うとのことですが(太田mixi)、先週や本日のサンデープロジェクトにおける田原氏の論調を見ると、
「田母神論文(言論クーデター)や元厚生次官襲撃は昭和一桁の2.26事件等に似ている。時代背景をみても、現在の格差・年金問題など社会不満、ネット上での田母神賛美、官僚襲撃は仕方ないといった世論の盛り上がりは当時と相似形だ。現代に危険な空気が流れている。」
といったものです。加藤紘一議員も加わり他人事のような解説をしていました。
 私には、どう考えても「総選挙」としか結論が出ないのですが、「麻生首相はリーダーシップを!」というばかりでストレスが溜まるものでした。

<太田>

 麻生氏が、「麻生氏が安倍、福田に続く元首相の七光り組の掉尾を飾る、戦後最低の首相」(コラム#2928)であることくらい、彼が総裁、首相に就任する前から分かりきっているのに、麻生氏に「期待」した国民がいたことが私には今だに信じられません。麻生氏に(選挙の顔プラスアルファ)を「期待」した自民党の国会議員がいたなんて、全く信じ難いとしか言いようがありません。
 ついでに言えば、七光り組は、最もエライご先祖様の政治姿勢を忠実に継承するものです。
 岸首相の「タカ」派ぶりを忠実に継承した安倍氏、福田赳夫首相の「タカ」派の顔をした「ハト」派ぶりを忠実に継承した福田康夫氏をご覧なさい。
 そうである以上、麻生氏が、元祖吉田ドクトリン継承者であるに違いないことは、容易に予想できるはずです。
 では一体、吉田茂首相はどんな政治姿勢であったのでしょうか?
 「<吉田は、>マッカーサーと信頼関係を築き、GHQとのパイプを独占して権力基盤を安定させる必要があった。同時に・・・自由経済を掲げる蔵相・石橋湛山率いるグループが主導権を握っていた<ところの、>・・・<自分が総裁ではあっても>党内基盤<を持たない>自由党をけん制するため、社会党との連立を狙っていた。<このことからも>吉田は・・・有沢広巳ら労農派マルクス経済学者の・・・経済政策の企画立案や総合調整にあたる「経済安定本部」・・・長官登用に・・・こだわった。」
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/shimizu2/index.html
(11月23日アクセス)

 要するに吉田氏は、宗主国米国が日本の外交・安全保障を全面的に担っている占領期において、占領当局にごまを刷ってその威を借り、「ハト」派ないし「左」派と野合することで自分の権力基盤を形成、維持した政治家であった、ということです。
 とすれば、麻生氏は、宗主国米国からの「独立」など全く考えず、ひたすら「ハト」派ないし「左」派との野合を模索することによって自分の権力基盤の形成、維持を図るはずです。実際そうでしょう?
 大体からして、麻生氏は、1979年の衆議院議員初当選以来、1997年まで「ハト」派の宏池会に属し、それ以降は、あの河野洋平氏を会長にいただく派閥に属してきた人物ですよ。麻生氏の政治姿勢が真性の「ハト」派であることは明々白々じゃありませんか。

 最後に、例によって記事を2つあげておきます。

 グリーンピースが捕鯨に関し、日本の水産庁とのPR合戦に敗れ、かつ暴力的な捕鯨妨害活動を行ってきたシー・シェパードと一線を画すため等から、今年は捕鯨妨害のために船舶を出すことを止める、という方針転換を行いました。
http://mail.google.com/mail/?source=navclient#inbox
(11月23日アクセス)
 大変結構なことです。日本の捕鯨推進関係者のご尽力をねぎらいたいと思います。

 「・・・ユダヤ人迫害はナチスが推し進めた政策だ。だが、これを実行したのはドイツの官僚機構。各地の税務署はユダヤ人世帯の財産目録を作り、これを基に没収財産を競売。ビールジョッキ一個が五十ペニヒで売却されたことまで記録する細かさだ。・・・ドイツの有名なビール会社もユダヤ人経営の醸造所をのみ込んで事業を拡大したこと。強制収容所に送るユダヤ人には私財所有権放棄の書類にサインを求め、玩具については子どもにまで署名させたこと。没収財産は日用品に至るまで競売にかけ、安く物が手に入るとして市民に重宝された・・・<このように、>ナチスだけでなく、役人や企業、“善良な隣人”たちもユダヤ人迫害を支えていた・・・戦後、生き残ったユダヤ人には請求に応じて一部が返還されたが、殺されたユダヤ人の財産はそのまま闇に。現在も市場に出回るアンティークのたぐいには、殺されたユダヤ人の所有物だったものが多く含まれている・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008112302000091.html
(11月23日アクセス)
 なかなか読ませる記事ですね、東京新聞さん。
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太田述正コラム#2931(2008.11.23)
<日本帝国の歴史2題(続)>

→非公開