太田述正コラム#2849(2008.10.14)
<皆さんとディスカッション(続x275)>

<8円ホルダー>

 コラム#2128「日本帝国の敗戦まで(ペリリュー島攻防戦)」を読みました。

 ニミッツの詩文が最初に日本文で発見され、英文はそのあとだったというのが気になりますね。

<太田>

 確かにそうですが、そんなことは本質的なことではありません。
 当時の日本人が、ペリリュー島攻防戦をテルモピレーの戦いになぞらえていた、ということが重要なのです。

 ところで、コラム#2411でも、バグってハニーさんのかなり無神経なコラム#2128批判(私による記述に対する批判)が行われ、私が反論しています。
 彼による私に対する無神経な批判と言えば、最近では、コラム#2772、2793でのものがあります。
 こういったことが積もり重なって、私はついに彼にさじを投げるに至ったわけです。
 ただし、私が彼にさじを投げるに至ったのは、彼が私と見解を異にしているからではなく、彼の議論の仕方についてなので、ゆめゆめ誤解のないようにお願いします。

<やいち>

 大学で論理学の授業を受けました。
 思考を統制する原理として三つ。

同一律:いかなる命題も真ならば、またこれの真なるときに限り、それは真なり。
ある命題が絶対に真で変わることはないと保証するのではなく、もし或る命題が真ならば、それは真であると主張するだけである。
矛盾律:いかなる命題も真かつ偽ではありえない
排中律:いかなる命題も真であるか、または偽である。

 これが論理学の原理であり、言語の情報的機能となっており。ここから、論理は一本道で交わらない。論理が真実ではないと解釈しました。
 従いまして、典拠の精度は、論理の精度に大きく関係するのですが、数学の公理のような精度になることは困難です。そして、自己への情報伝達機能だけで思考しているのではないので、典拠と共に、思考には自己(論理以外の感覚)が重要になってくると考えておるのですが。
 私自身が、論理的というより自分の感覚重視であるのは確かです。
 感覚(論理ではない何かです)が欲しいと思います。
 東大の論理のイメージとしては、ああ言えば、こう言う、言い負けたら、負けと言うイメージがありました。これは、見た番組が悪かったせいかもしれません。
 舛添要一氏と西部邁氏のTVでのイメージが強く、本人の意見もあるのでしょうが、人の意見の後ろから、確かに論理的ですが、不足をつついていくようなイメージだけが残っていました。批判に対しては、自分は、違った見方をしていると言うようなことを言って話がずれていくような、イメージでした。
 TVの太田氏は、最初に大変分かりやすい結論だけを言って、その後も、明瞭でした。新鮮でした。多分私の感覚です。
 ブログでは、雑駁と言われるところが、いいところです。
 バグってハニー氏とのやり取りには、「うあっ」と感じました。
 翻って、私はこうまで真剣ではないなーと思うばかりです。

<太田>

 失礼ですが、必ずしも「論理」的でない文章なので、読むのが一苦労でしたが、おっしゃりたいことは何となく分かりました。
 お褒めいただいて恐縮です。

<文十郎>

<『属国の防衛革命』、届くのは>来月になるという連絡を先日アマゾンから頂いたのですが、本日到着しました。
 早速読ませていただきます。
 次の著作も楽しみにしています。

<太田>

 お買い求めいただき、ありがとうございます。

 話は変わりますが、イギリス(含むウェールズ)は医療費に占める精神医療費の割合が13.8%と(地理的意味での)欧州諸国中で一番高いことが国連の調査で明らかになりました。
 ちなみに、スコットランドは9.8%だそうです。
 (以上、
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/7662119.stm
(10月13日アクセス)による。)

 私は、イギリスでは精神科に行くことが、他国に比べ、タブーである度合いが少ない結果がこういう数字になって現れた、と解釈しています。
 いずれにせよ、やや乱暴に言えば、医者に無縁な人なんてほとんどいないとすると、10人のうち1人くらいはアタマがちょっとおかしい人がいるということであり、既往症の人も含めれば、少なくとも人生の一時期、アタマがおかしくなったことがある人はわれわれの周りにゴロゴロしていると思った方がよい、ということです。

 さて、この調査も、イギリスとスコットランドは別立てにしているようですが、データを見ると、イギリスとスコットランドが同じ国とは思えない乖離を示していますね。
 このこと一つとっても、スコットランドはアングロサクソン文明ならぬ、欧州文明に属する「国」なのです。
 
 そのスコットランドが、11月6日に行われる英下院補欠選挙の結果いかんによっては、英国からの独立(コラム#2470、2472、2475)に踏み切る可能性が出てきました。
 さて、スコットランドが独立した場合、EUにはとどまるものの、NATOから脱退することになると考えられています。(アイルランドとの同じステータスになるということです。)
 また、スコットランド人は核兵器が大嫌いです。(対イラク戦にも反対する人が圧倒的でした。)
 そこで問題になるのは、現在英国が唯一保有している核戦力であるところの、大陸間弾道弾搭載トライデント原子力潜水艦の基地も、核弾頭の収蔵庫もスコットランド・・それぞれ、FaslaneとCoulport・・にあることです。
 これら基地や収蔵庫のイギリスへの移設がうまくいくか、ということが懸念されているのです。
 (以上、
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2008/oct/14/snp-nuclear
(10月14日アクセス)による。)

 最後に軽い話題を一つ。
 四川省出身の女性の美人人気投票が中共のネット上で行われたところ、ボーイッシュな少女が一位になり、議論が起こっています(
http://j.peopledaily.com.cn/94475/94700/6514145.html
。10月14日アクセス)。
 日本だけでなく、中共でも中性化(コラム#276)が進展しているのかもしれませんね。
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太田述正コラム#2850(2008.10.14)
<顰蹙を買う米国(その1)>

→非公開