太田述正コラム#2805(2008.9.22)
<皆さんとディスカッション(続x253)>

<nhan>

 「国籍不明潜水艦事件・・・のその後」(コラム#2803)を読みました。
 昨日21日共同の記事に載ってました。
http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008092001000848.html

>防衛省・自衛隊はクジラを潜水艦と見誤った公算が大きいとの見方を固めた。

 日経やロイターより詳しく書いてあります。
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080921AT3S2001J20092008.html
http://jp.reuters.com/article/kyodoPoliticsNews/idJP2008092001000846

クジラと間違えることはときどきあるとききますが、こんなに分析に時間がかかるものですか?

<ケンスケ2>

 海自の志気は,かなり低いようですね。
 そのような噂は,ここ数年来しばしば聞いています。
 海自を辞めた人たちが,私の周りにも沢山流れてきていますから。
 長期の航海って,今の若者には耐えられない苦痛なんでしょうかね。

<太田>

 話は全く変わって、読者の中で精神医学に通じておられる方にご相談です。
 次のような躁鬱病の発症が疑われる知人がいるのですが、私がどうすればよいか、お尋ねしたいのです。
 事柄の性格上、一般的な形でしか書けないので、「診断」されるにも限界があろうかと思いますが、あしからず。

 躁鬱病は鬱病と違って余り一般的ではないだけに、読者の中には関心のない方もおられるかもしれませんが、芸術家には躁鬱病持ちが多い・・因果関係はまだよく分かっていない・・ということ(
http://en.wikipedia.org/wiki/Bipolar_disorder
)だけでも、躁鬱病に関心を持っていただきたいものです。

 さて、私は、
http://www.seri.sakura.ne.jp/~lisa/souutu/souutu.html
から始まる一連の記事を読んで、この知人の「症状」が、約3ヶ月の「2型の躁」→約3週間の「躁うつ混合状態」→数日間の「鬱」、と変遷した、と考えると知人のこのところの言動が説明がつくことに気づき、この知人は躁鬱病を発症しているのではないか、と考えるに至りました。

 念のため、
http://charm.at.webry.info/200709/article_8.html
も読んでみました。

 この記事で、「2型の躁」の診断基準とされる

A.1回またはそれ以上の大うつ病の存在(または既往歴)

については、この知人が約10年前にかなり重篤の鬱病を発症し、医師の診断を経て克服しているので合致する(!)ほか、D.も合致しますし、

E.その症状は臨床的に著しい苦痛または、社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

の「または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている」も合致しています。
 (ただし、C.には合致するのかしないのか判断がつきかねます。「2型の躁」の定義が学者によって微妙に違うのでしょうかね。)
 また、

B.少なくとも1回の軽躁病エピソードの存在

 については、同じ記事中の「軽躁病エピソード」の診断基準を見ると、

<引用始め>
A.持続的に高揚した、開放的な、または易怒的な気分が、少なくとも4日間続くはっきりとした期間があり、それは抑うつのない通常の気分とは明らかに異なっている。

B.気分の障害の期間中、以下の症状のうち3つ(またはそれ以上)が持続しており(気分が単に易怒的な場合は4つ)、はっきりと認められる程度に存在している。

1.自尊心の肥大または誇大。

2.睡眠欲求の減少(例えば、3時間眠っただけでよく休めたと感じる)。

3.普段より多弁であるか、しゃべり続けようとする心迫。

4.観念奔逸、またはいくつもの考えが競い合っているという主観的な体験。

5.注意散漫(すなわち、注意があまりにも容易に、重要でないかまたは関係のない外的刺激に転導される)。

6.目標志向性の活動(社会的、職場または学校内、性的のいずれか)の増加、または精神運動性の焦燥。

7.まずい結果になる可能性が高い快楽的活動に熱中すること(例えば、制御のきかない買い漁り、性的無分別、またはばかげた商売への投資などに専念すること)。

C.エピソードには、症状のないときにはその人物に特徴的でない明確な機能変化が随伴する。

D.気分の障害や機能の変化は、他者から観察可能である。

E.エピソードは、社会的または職業的機能に著しい障害を起こすほど、または入院を必要とするほど重篤でなく、精神病性の特徴は存在しない。

F.症状は物質(例:乱用薬物、投薬、または他の治療)の直接的な生理学的作用や一般身体疾患(例:甲状腺機能亢進症)によるものではない。
<引用終わり>

となっているところ、A、C、D、E、F に合致しており、また、Bのうち、1、5、6、7と完全に合致し、3、4 にも合致していると言えなくもないので、この知人の場合、「少なくとも1回の軽躁病エピソードの存在」は、私からすると、疑う余地がありません。

 よって、この知人は「2型の躁」の躁鬱病を発症している可能性が高い、と改めて思いました。

 2点、補足しておきます。
 
1 知人の家族は、この知人の「少なくとも1回の軽躁病エピソードの存在」に気付いていません。
2 私がこの知人に対し、「2型の躁」の躁鬱病の疑いがあるので一度精神科医の診断を受けたらどうかと指摘したところ、自分は正常である、と強い反発を受けました。

 私が教えていただきたいのは、私がこのまま、この知人を放置しておいてよいものかどうかです。
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太田述正コラム#2806(2008.9.22)
<夏休み中の記事より>

→非公開