太田述正コラム#2694(2008.7.28)
<皆さんとディスカッション(続x205)>

<大阪の川にゃ>

≫それにしても、自衛隊員は砂漠の任務なのに緑色のウッドランド迷彩服を着ているのはなんででしょうかね。≪(コラム#2692。VincentVega)

 確か、イラク国民は総じて親日的なので、むしろ目立つ緑色で日本「軍」であると知らしめた方が攻撃を受けない、と考えられたようです。(不戦条約違反の)米英アングロサクソンと一緒にされないように、ということでしょう。以下に典拠を引用します。

 小池百合子氏「敵意の対象となっている米軍と同じ迷彩服姿は好んで攻撃の標的になるようなものだ。ふだん陸上自衛隊が着衣している深緑の制服でよい。」
http://www.yuriko.or.jp/column/column2003/column030806.shtml

 また、太田清彦元イラク派遣部隊司令官の発言からも、米軍(英軍)に間違われないために深緑色の服装にしたようです。
>―現地の自衛隊員は緑の迷彩服を着ていましたが、イラクではかえって目立ってしまって危険ではなかったのですか?
 太田清彦氏「いいポイントをついています。たしかに外国の軍隊は砂漠仕様の白っぽい迷彩服を着ています。しかし日本は日本独自の色を出すことが安全につながると考えたため、緑色となりました。」<
http://blog.ygu.ac.jp/seminar/ogasawara/blog/archive/2007/03/121447162619.html
<VincentVega>

 なるほど。
 安全を考慮してあえて目立つ服を着ていたとは、そんなこともあるんですね。
 勉強になりました。m(__)m

<MS>

 --議論をコラムにまとめます--

海驢様、皆様、コラム#2692において、太田さんからMSにコラム執筆の依頼がありました。
 そこで、現在、掲示板で行われている議論がひとくぎりついたところで、それを代表してまとめなおすという形で投稿することになりました。
 当然のことながら議論は私一人でしているわけではありませんので、一緒に議論していただいた方のハンドルネームを最後に謝辞という形で、載せさせていただこうと思います。

<海驢>

 MS様、コラムの件、了解しました。お手数ですが、とりまとめ方よろしくお願いいたします。
 月末に企画コンペを2・3本、8月頭に試験を抱えているため、あまり時間は取れないと思いますができることがあればご協力いたします。
 さて、「植民地時代に関する文献」(コラム#2690)の追記事項です。

 私は保坂さんがどういった思想をもっているかには興味がありません。
 とにかく訳者が文をかえるということはあまり考えにくいです。
 当方の認識では、翻訳というものは訳者の見識・思想に影響を受けるのはもちろん、時のアカデミズムの傾向や制度的拘束、心理学的な反応にも影響されるものと捉えています。
 例えば、日本における思想・哲学分野の翻訳には、訳者の力量を超える部分で「逐語訳」という拘束がかかっており、本来の意味を理解することを阻害し、それを以て権威主義の助長・再生産に繋がった可能性も指摘されています。
※参考:「輸入学問の功罪」 鈴木直著 ちくま新書 平成19年刊

 また、訳者が文を変えなかった場合でも、もともとあった部分を敢えて翻訳せず、原著のニュアンスや内容を読み取れなくするというワザもあります。このケースの代表的な事例は、映画「ラスト・エンペラー」の原作である「Twilight in the Forbidden City, Reginald Fleming Johnston」です。
 訳本は、1989年に岩波文庫版「紫禁城の黄昏(入江曜子・春名徹共訳)」が出ましたが、原著にある26章のうち、主観的な色彩が強いという理由で第1章〜10章と第16章を省き、また序章の一部(満州国に関連する人名)を削除していたとのこと。
※参考:Wiki「紫禁城の黄昏」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%AB%E7%A6%81%E5%9F%8E%E3%81%AE%E9%BB%84%E6%98%8F

 しかし、これは原著がペーパーバックでも出ていて対比できることもあって、岩波がお得意の反日・東京裁判史観に都合の悪いところを削除していると看做され甚だ評判が悪かったようで、新たに以下の完訳と新訳が出ています。
※参考:「紫禁城の黄昏―完訳 (上・下)」R.F.ジョンストン著 中山理訳 渡部昇一監修
http://www.amazon.co.jp/%E7%B4%AB%E7%A6%81%E5%9F%8E%E3%81%AE%E9%BB%84%E6%98%8F%E2%80%95%E5%AE%8C%E8%A8%B3-%E4%B8%8A-R-F-%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3/dp/4396650329/ref=pd_sbs_b_1
※参考:「新訳 紫禁城の黄昏」レジナルド・F・ジョンストン著、岩倉光輝訳
http://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E8%A8%B3-%E7%B4%AB%E7%A6%81%E5%9F%8E%E3%81%AE%E9%BB%84%E6%98%8F-%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%EF%BC%A6%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3/dp/4939154041/ref=pd_sbs_b_3

 当方は「新訳」の方しか読んでおりませんが、確かに第一級の史料であり、序章から全ての章を総括すれば、東京裁判史観を完全に否定するに十分な内容だと思いました。もちろん、訳者が「反岩波的」思想の持ち主であることは容易に推測できるので、その点を留意する必要はあると思います。
 ちなみに、岩波版訳者の入江氏は「九条の会」で講演なさっていたり、春名氏は「故宮の宝物が台湾と大陸に分散してしまったのも日本の侵略のせいだとか、抗日記念館は反日的色彩はないとか、靖国の遊就館はイカンが、中国の軍事革命博物館には興味をそそられ二時間も見物していた」とかいう内容のご本(「北京― 都市の記憶」岩波新書) を出されたりしているようですので、こちらはこちらでそういう思想ということなのでしょう。
 話が長くなりましたが、疑り深くなるには十分な情報だと思われませんか?(笑)

 また、他にもご質問いただいておりましたが、まとめに少々時間がかかりそうなため、回答はご勘弁いただいて(笑)、一点だけ。

>>(韓国では、「朝鮮戦争は日本のせいで起こった」などということが普通に言われているところがまた恐ろしいところですが・・・)。
>普通(一般的の意?)かどうか、は議論の余地があるのではないでしょうか? 典拠をおしえてください。(コラム#2692。MS)

 もともとは、コラム#2690で言及した産経新聞(2007/06/19)の記事(下掲)が出典です。(現在、元記事はリンク切れのようです)

※引用:『韓国の小学生2割「朝鮮戦争=日本が侵略した戦争」』
【ソウル=黒田勝弘】韓国現代史の最大の悲劇といわれる朝鮮戦争(1950〜53年)について、韓国の小学生の5人に1人が「日本が韓国を侵略した戦争」と考えていることが明らかになった。
 18日発売の韓国の有力月刊誌「月刊中央」7月号が朝鮮戦争57周年を機に実施したアンケート調査の結果として伝えたもので、同誌はその原因として最近の親北朝鮮的な学校教育と日本に対する相変わらずの敵対心を挙げている。
※出典:「【2】韓国はなぜ反日か?」
http://3.csx.jp/peachy/data/korea/korea2.html
※元記事:産経新聞(2007/06/19)
http://www.sankei.co.jp/kokusai/korea/070619/kra070619000.htm

 また、つい最近の記事には、以下の中高生の意識調査結果が出ていました。

※引用:『「北より日米が脅威」 韓国の中高校生を調査』
・・・全国の中高校生1016人を対象に行った意識調査で・・・「朝鮮戦争を引き起こした国」として北朝鮮を挙げた正しい回答は48.7%に過ぎず、次いで、誤った答えとして日本13.5%、米国13.4%、ロシア10.9%などとなっている。「日本」が多いのはマスコミや教育などで依然、「侵略国家」のイメージが強調されているためとみられる。
※出典:「北より日米が脅威」 韓国の中高校生を調査 - MSN産経ニュース(2008.6.24)
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080624/kor0806241741002-n1.htm

 2割や13.5%を多いとみるか、少ないとみるかですが・・・。
 以上、ご参考まで。

<TORA>http://www.goodinfomation.info/2008/06/post_448.html

 --太田述正コラム#307「米国とは何か(その4)」の「2 博徒たるアングロサクソン」(
http://blog.ohtan.net/archives/50955526.html
を読んで--

 アメリカは賭博師の国家であり戦争も賭博であり戦争が大好きな国家だ。無謀にも日本は戦争が大好きなアメリカに戦争を挑んで見事にやられましたが、日本国民はアメリカという国をあまりにも知らなさ過ぎたのだ。
 アメリカは詐欺師の国であり、それはハリウッド映画のデタラメな歴史考証を見ればすぐに分かるように、独善的な歴史観を日本にも押し付けて、アメリカは民主主義をもたらした正義の国と日本人を騙し続けている。騙される日本人もだらしがないのですが、アメリカの歴史を見ればアメリカという国の恐ろしさがすぐにわかるはずだ。
同じアングロサクソンでも英国と米国では、行儀の悪さや無法者ぶりには違いが出てくる。要するにヨーロッパ人から見ればアメリカ人は田舎者なのですが、日本人にはその違いが分からない。アメリカ人と中国人の相性がいいのもアメリカ人が詐欺師で中国人が嘘つきだからだ。誇大妄想的なところもよく似ている。
 アメリカにしても中国にしても歴史の浅い国であり、信用というものの恐さを知らない。いったん信用を失えば誰にも信用されなくなり取引や交渉事も出来なくなる。組織もバラバラになり個人しか信用できなくなる。中国の王朝が亡んできたのも裏切り者だらけの国家は長続きしない。アメリカも詐欺師の国だからそう長くは続かないだろう。日本としてはアメリカが衰退していくのを見守る戦略でいいのではないかと思う。

<太田>

 9月の第1週(1日〜6日)遅めの夏休みをとらせていただきます。
 この間、インターネット環境にはいるのですが、私からの新規コラムの発信は基本的にいたしませんのでご了解ください。
 そこで、その穴埋めというと大変失礼ですが、皆さんからのコラムを募集し、選択の上、上記期間中、適宜、私のコラムに代えて発信させていただきたいので、この際、コラムを太田ブログに掲載してみたいと思われる方は、8月中にご応募いただければ幸いです。
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太田述正コラム#2695(2008.7.28)
<新著・追加執筆分(その1)>

→非公開