太田述正コラム#2606(2008.6.13)
<皆さんとディスカッション(続x163)>

<ueyama>

>残念なことは、青少年の自殺率の国際比較の典拠が見あたらないことです。

 そのとおりで、ですから「文脈上、国際的に(他国と比較して)、ということはないと思いますが」という逃げを打った次第です。1999年時点での比較は見つけたのですが、少し古いので使うのをやめました(
http://www-bm.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/suicide04/11.html
太田さんが言及された日米比較も、米国が1999年時点なので私は言及を控えた次第です
)。

>「現代の青少年の自殺率が高く(=大勢が自らを殺し)そいつらは場合によっては自分ではなく他人を無差別に殺す」と<小宮氏が?(太田)>

 小宮氏がです。「日本の自殺率、特に青少年の高い自殺率<や>日本でたまに起きる青少年による大量殺害事件」が同根である、をちょっとだけ悪意をもって解釈させていただきました。

 上記資料と今回の太田さんの話を聞くと、「日本の縄文モード化に伴う日本人の中性化」(コラム#276・男女差があるものにも関わらず全く気にしていま せんでした)に関しても補強されている感じですね。青少年層(男)に関してはオーストラリアやカナダなどに比べれば高い水準にはないものの、青少女(?) 層に関しては(ロシアを除いて)もっとも高い、といった具合です。(男が)中性化をしておらず、太田さんのおっしゃるように日本も銃社会であったなら、青少年層(男)の自殺率ももっと上がっているのかもしれません(中年層だって増加するでしょうけど)。

 要は、私が言いたいのは、近年の青少年層の自殺率の増加よりも1998年の中年層の自殺率の増加とそれ以降の高止まりのほうがはるかに問題であり、また、青少年層の増加も中年層の自殺率の増加も同根である(と私は思っている)ので、何か青少年層特有の問題が潜んでいるかのような(上の世代からの)言及 は(自分たちのほうがはるかに深刻なくせに)問題を押しつけられているような感じがして反発を覚える、といった感じですかね。
 それにしても、戦後一貫して、他が軒並みあがっている1998年以降もお年寄りの自殺率は下がり続けていますけど、彼らだけは幸せだってことでしょうかね。お金もってるからかな。

<太田>

 やっぱし、1999年当時でも日本の青少年の自殺率は先進国じゃ高い方なんですね。

 話は全く変わりますが、以前議論をしたデジタル化と著作物の問題について、掘り下げた記事が出てましたよ(
http://www.nytimes.com/2008/06/06/opinion/06krugman.html?ref=opinion&pagewanted=print  
。6月7日アクセス)。

<遠江人>

 こくぴとさんと太田さんとの対話において太田さんが典拠を求めたことの是非について、とりあえずまとめです。

 太田さんは自由に腕を振るえないことや活力減衰についてのことを次官や局長を対象にしていたところ、こくぴとさんはその対象を中間管理職にまで範囲を広めて一緒に考えてしまったことにそもそもの行き違いの原因があったのではないでしょうか。中間管理職については太田さんもこくぴとさんも考えは同じだったわけですし。
 ともかく太田さんが典拠を求めたことは理にかなっていた、ことは証明できたように思います。細田さん、如何ですか。

<太田>

 「「中間管理職で窓際」の人達を≪基本的に≫定年まで、あるいは年金がつくまで(給与を下げて)雇用することについては、民間企業、官僚機構を問わず、私は賛成です。」に変えさせて下さい。≪≫を入れ忘れました。

<衆愚>

僕が「太田さんのおっしゃってらっしゃる事は、(日本でのチベットデモ前の)朝日新聞見て日本は親韓、親中だと言ってるような物なのでは」と書いたのに対し、太田さんは

 「しかし、韓国で最も歴史が長く、かつ約230万部と韓国最大の発行部数を誇る朝鮮日報でもって韓国を代表させることは、一つの見識ではあると私自身は考えています。それだけではありません。朝鮮日報は、英ガーディアンやファイナンシャルタイムスに匹敵する高級紙だと私は評価しています」

 評価って、ご自分の経歴に照らして典拠とされているのでしょうが。。
 購読者数/人口でみて、あやふやなところはあるにせよ

14,323,781/127,767,944 国内シェア11%読売新聞
8000000/127,767,944 国内シェア6%朝日新聞
2,300,000/48,598,175 国内シェア4%朝鮮日報

ですよね。(wikipedia参照)朝日は二位ですけどそれぞれ自国内のシェアで見たら朝鮮日報より多い。
 太田先生の見識によるなら日本は親韓でもおかしくない。
 ところが、(BBCの国際世論調査の
http://www.worldpublicopinion.org/pipa/pdf/apr08/BBCEvals_Apr08_rpt.pdf)
North Koreaをみると。mainly positive2% に対してmainly negative90%なんですよね

日本の新聞購読率は2005年時点で80.9%2007年で75.6%(
http://c-news.jp/c-web/ShowArticle.do?did=01&aid=00010262
)なのに対し
韓国は2005年12月時点で43%(
http://www.jnpc.or.jp/cgi-bin/pb/pdf.php?id=191
)
 残念ながら日本の信頼度調査は見つけられなかったのですが、韓国ではテレビ62.2%インターネット16.3%新聞16.1%(同上)でした。
 BBCの実施した国際世論調査でも(2005-2007の調査ですが)Japanの項目をみてみると
The two exceptions to this positive reputation for Japan continue to be its neighbours, China and South Korea, where majorities rate it quite negatively. Views are somewhat less negative in China compared to a year ago (71% down to 63% negative) and slightly more negative in South Korea (54% to 58% negative).
http://www.worldpublicopinion.org/pipa/articles/home_page/325.php?nid=&id=&pnt=325&lb=hmpg1

2008年4月2日になっても

Twenty-one countries give a positive rating, while two give a negative rating (two neighbours: China and South Korea) and one country is divided (Mexico).
の状態です
The two countries that have majority negative views of Japan have also seen them decline: China (55%, down from 63%) and South Korea (52%, down from 58%).
とはいっても、いまだに過半数が嫌日ですし、(
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080402-OYT1T00195.htm
)(元ソース
http://www.worldpublicopinion.org/pipa/articles/views_on_countriesregions_bt/463.php?nid=&id=&pnt=463
)

初等学校はすべて、中学校・高等学校は国史、国語の教科書が(こんな

http://members.tripod.com/textbook_korea/fr_2.htm
)国定教科書であることを踏まえれば、韓国がこれから当分嫌日で反日なのは間違いないのではないでしょうか(
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%9F%93%E6%B0%91%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%95%99%E8%82%B2
)

先生のもうすこし、マクロ的な観点が読みたいです。1つの新聞を取り上げて国を代表するなんてミクロな考えは余りに古いのではないでしょうか。。あと先生の典拠ももう少し欲しいなと思いました。

cf.今でも韓国は国定教科書か、というと
http://www.chosunonline.com/article/20040806000089
 「しかし教育部は、国定図書を検定・認定化すれば、教科書の価格が高くなるのは必至で、義務教育に伴う教科書代の国庫負担が増える上、国定教科書を廃止すれば、教育内容の統一性や中立性を確保しにくく、混乱が予想されるなどの問題点があり、愼重に対応する方針だ。」

 URLでは検定制へ移行を検討〜と書いてありますが、実際に移行した、という続報が無いので、現在も国定教科書のままであると考えられます。

<太田>

 「North Koreaをみると。mainly positive2% に対してmainly negative90%なんですよね」の部分は、韓国が議論の対象なのだから、うっかりミスでしょ。
 また、日韓の日刊新聞の発行部数、徳に総発行部数の数字はおかしいのでは?
 日韓主要紙発行部数、総発行部数をそれぞれ、
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama--col4018.html
http://q.hatena.ne.jp/1123198235
http://www.pressnet.or.jp/data/01cirsekai.htm
(6月13日アクセス)
の、基本的に2006年の数字に拠ることにすると、

10,160,000/69,184,000 国内シェア14.7%読売新聞
8,260,000/69,184,000 国内シェア11.9%朝日新聞
2,320,000/19,246,000 国内シェア12.1%朝鮮日報

ということになります。
 一応日本の最高級紙が朝日だとすれば、韓国の最高級紙としての朝鮮日報の韓国の新聞に占めるウェートはかなりのものだと言えるのではないでしょうか。
 念のためですが、2006年の人口は、

日本:127,950,000人
韓国: 48,050,000人

ですから、上記発行部数を単純に人口で割ると、讀賣新聞を日本の7.9%、朝日新聞を日本の6.5%、朝鮮日報を韓国の4.8%の人が読んでいる勘定になります。もちろん日韓においては新聞は世帯でとるもの(典拠省略)なので、実際にはこの2倍以上の数から子供の数を除いた数、ということになりますが・・。
 いずれにせよ、朝鮮日報の韓国におけるウェートは朝日の日本におけるウェートに比べてそれほど遜色はない、ということになりそうです。
 さて私は、韓国世論が既に現時点で(大半が)親日であると言っているわけではなく、韓国世論のベクトルが親日の方に向かっていると言っているのであり、このことはお示しの典拠でも裏付けられてますよね。そして私は、朝鮮日報は積極的に親日へと韓国世論を引っ張っていると言っているのです。
 最後に、前回書き忘れたのですが、日経の鈴置氏の書く記事は信頼性が低いとお考えください(コラム#1835、1844、2483)。

<コバ>

 コラム#2533「オバマ大頭領誕生へ?(続x8)(その2)」を読みました。
 スパイク・リー監督が硫黄島を描いた米国の映画には黒人兵士が出ていないとコメントしています(
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080611-00000009-flix-movi
)。
 オバマ大統領が誕生したら、米国のどうしようもない人種差別意識は改革されるのでしょうか。また、鎖国をしている日本ですが、もし日本が移民を受け入れるようになったら、米国と同じように人種差別が大きな問題となり得るでしょうか? 自分も外国人に偏見がないとはっきりとは言えませんし…。

<太田>

 クリント・イーストウッドは、わざわざ米国側から見たのと日本側から見たのと硫黄島2部作映画をつくったことに象徴されているように、黄色人種差別意識は克服していた(克服しようとしていた)けれど、黒人差別意識は克服していなかった(克服しようとしていなかった)ということのようですね。
 しかし、オバマ民主党大統領候補が誕生しただけでも、米国における黒人差別意識が顕著に希薄化しつつあることが分かったわけで、まことに慶賀の至りです。
 ところで、自民党の「外国人材交流推進議員連盟」(会長=中川秀直・元幹事長)所属議員80人が、今週中にも「日本の総人口の10%(約1000万人)を移民が占める『多民族共生国家』を今後50年間で目指す」という移民政策に関する提言案を福田首相に提出する予定であるとの記事が出ましたね(
http://www.chosunonline.com/article/20080609000029  
。6月9日アクセス)。
 まだこの提言は提出されていないようですが、画期的な動きだと思います。
 とにもかくにも、外国人に対する偏見を乗り越えない限り、日本の未来はありません。

<ケンスケ2>

 2チャンネルの、中国や韓国についての書き込み書き込みを見ていると、貧しい白人達が黒人や有色人種に対する言われ無き優越感を唯一の支えとして生きている様子も、想像がつくような気がしますね。
 哀れなことですね。

<太田>

 同感です。

<バグってハニー>

 ふと思いついたのですが、クラスター弾禁止条約は日本が米国の属国ではないという反証にはならないのですか?
 米国の懇願を袖にして英国はサインすることを決めましたけど(太田コラムで引用されていたガーディアンかNYタイムズかワシントン・ポストの記事、つまり英国は独自に自国の安全保障政策を策定することができる独立国)、日本にはそういう働きかけはなかったんですかね。
 安全保障に関して日本が米国の先を行くというのは画期的なことじゃないですか?日本政府は厳しい結果もありえることを予測した上でダブリン会議に参加したはずですよね?松岡外相見たく「さいなら」と途中で席を蹴って出て行くことはできないでしょうし。

<太田>

 残念でした。
 自衛隊がクラスター爆弾を持っていても、現行の憲法解釈の下では使う場面が全くない(自衛隊が本格的な陸上戦闘を行うことなどありえない)のですから、米国から見て日本が保有しているクラスター爆弾なんて全く意味がありません。
 日本がそんなもん持ってようが捨てようが、宗主国米国としては何の関心もないってとこでしょうね。
 (いざという時に日本が保有しているクラスター爆弾を米軍に譲り渡すことだって、武器輸出にあたることと、憲法解釈上の疑義もあることからできないんですよ。)
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太田述正コラム#2607(2008.6.13)
<ネオ儒教論の展開(その2)>

→非公開