太田述正コラム#2590(2008.6.5)
<皆さんとディスカッション(続x155)>

<おはなし>

 何はともあれ、インヴォイス方式の件を太田さんの考え方を簡単に示してもらい(コラム#2582)、やはり脱税関連だったのか・・・などと、自分で勝手に合点がいった次第です。太田さん、ありがとうございました。蛇足ですが、如蘭会のパブリックフォーラムなどで講演などなされば面白いんですけどね。

<太田>

 ご存じでない方のために・・。如蘭会というのは、日比谷高校の同窓会のことです。
 昔は私も如蘭会や学士会の講演会にはちょくちょく顔を出していたものです。

<メルマガ会員Z>

≫公共事業(土木・建築事業)発注だけでなく、コンピューターシステム発注でも同じことではないでしょうか。私自身が関わったこの二つの分野に関する限り、防衛庁(当時)には仕様書が書ける技官はいませんでしたね。≪(コラム#2588。太田)

 ホンマでっか?!
 ということは、仕様書作成は(落札予定)業者に官は丸投げしているのが実態なんでしょうか?
 それを裏付けるものがここに・・・。
「政府調達はムダだらけ、IT関連の内部文書入手!」
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/158/158766.html
(少し古いですが・・。)

<太田>

 よく見つけましたね。
 お示しの典拠に、「官僚が作成する<ITシステム導入に係る>仕様書は紙数枚。それも細かい仕様が書かれているわけではなく、『この機能を実現すること』といった内容しか書かれていない。」とありますが、どの省庁でもそんなところでしょうし、恐らく現在でも同じような感じなのでしょうね。

<メルマガ会員Z>

≫企画(仕様書作成)能力のある技官を部内で養成するのが筋ではないか、と思います。≪(同上)

 防衛省の場合、防衛大学校の学生に対して、そういう教育をするのでしょうか?

<太田>

 防衛大学校は理系の学生が多く、かなり充実したIT教育も行っていますが、彼らは卒業後幹部自衛官として、コンピューター(IT)システムを含むところの管理システムや兵器システムを運用したり、どんな性能のシステムが欲しいか決めたりする仕事に携わるのであって、システム調達(仕様書作成を含む)の仕事に携わるわけではありません。(もちろん例外はあるし、中には技官に転官する人もいますが・・。)

<トンビ>

 コラム#2589「日本文化チャンネル桜収録記 2」(非公開)を読んで、放送を楽しみにしています。
 前回の番組では、太田さんの「日本はアメリカの属国」発言に、その場の全員が「いやいや何言ってるんですか、日本は独立国ですよ」と収めてしまったように見えて、ハラハラしました。でも、今回は反応が違ったみたいで良かったですね。
 同じ話をしても相手が違うと反応が違う、という経験を私もしたことがあるので、その場の雰囲気、想像できます。同席している人の反応如何で議論の流れが変わるものですよね。
 番組で話題になったという個々の事例は難しくてよくわからないのですが、参考記事を読んで予習してから観ます。
 予習しないと意味がわからないような専門的な内容の番組は、低脳娯楽番組に慣らされた日本の大多数の視聴者にはうけないんでしょうね・・・。

<遠江人>

 コラム#2589を読みました。
 とにかく思ったのが、やはり太田さんのアングロサクソン論の本を出して世に問わなければならないということです。
 この日本で唯一独自の見解を日本の知識人達はまだ知りません。今回チャンネル桜に出演した知識人の諸氏が、太田さんのアングロサクソン論を正しく認知したとき何と言うだろうと想像するだけでもワクワクします。
 日本の知識人の思考の転換を起こすことができるであろう(と信じています)新しい(古くもある)論理、太田さんのアングロサクソン論を世に問おうという出版社はいないのか。

<太田>

 これまでの私のTV・ラジオ・新聞・週刊誌への露出の頻度、内容等からすると、政治家や官僚の批判はよく売れるし、防衛問題も若干は売れるけれど、文明論や歴史論は全く売れない、と日本の広義のマスコミが判断しているということでしょう。
 恐らく、私は元「防衛」「官僚」ではあっても、人文社会科学の学者経歴がないことが売りにくい点なのだと思います。

<イニエスタ>

 はじめまして。
 太田さん出演のチャンネル桜の放送を楽しみにしています。太田さんは保守派の論客の意見とは切り口が違っているので聞いていて飽きません。
 一つ質問させてください。

http://www.mbs.jp/news/jnn_3868320_zen.shtml

 自衛隊が保有するクラスター弾の廃棄を政府が決定したのですが、これは一体何のためなんでしょうか?
 これを廃棄することによっての、メリットや、デメリットがイマイチ理解できません。
 分かっているのは↓
廃棄に200億円掛かり、石破防衛相が廃棄についての態度表明や説明がない、クラスター弾に代わる兵器を調達していない、ということです。
 空自のクラスター爆弾に、陸自のMLRSも処分するらしいですね。これらの兵器購入や維持費にかかった税金の意味は何だったんでしょうか?しかも廃棄費用の陰に、利権談合共産主義もあるような気がします。

<太田>

 コラム#2583「クラスター爆弾報道に思う」(未公開)で論じたところですが、クラスター爆弾とは、多数の子爆弾を散布する爆弾のことであり、これまでのケースでは必ず不発弾が発生し、戦闘が終了してからも、長く散布地域の一般住民を危険に陥れてきました。これがデメリットです。メリットは、一定地域内の「敵」を一挙に効果的に殺傷することができることです。
 しかし、米軍でさえ、過去5年間、クラスター爆弾を使用していません。
 これは、クラスター爆弾が本格的な地上戦闘以外では使用されない兵器であることを示しています。
 人道と軍事合理性のどちらを重視するか、ということになるわけですが、クラスター爆弾を保有している国は、前者を重視した英仏日等と後者を重視した米中印パ・イスラエル等に分かれ、クラスター爆弾を保有していない国はほとんどが人道を重視した、という結果、同爆弾の禁止について広範な合意が形成されるに至ったわけです。
 日本は土壇場で禁止に賛成したわけですが、日本は、軍事的侵攻を受ける懼れがない上、海外派兵することも憲法解釈上否定されているのですから、日本の自衛隊が本格的な地上戦闘を行うことはおよそありえず、そもそもクラスター爆弾を保有している意味がなかったのであり、禁止に賛成するのは当然です。
 なお、昨日収録した「桜」TVの番組の中で、上記の最後の部分を申し上げて、潮匡人氏を糺したところです。(コラム#2589の中で書き忘れました。)

 最後に、私から皆さんへの連絡事項があります。

1、7月4日、所用で神戸に出かけますが、その後、1800から2100まで、新大阪駅付近で、東京以外で実施される初めてのオフ会を開催します。
 出席ご希望の方はカレンダーをチェックしておいてください。
 詳細は、追ってお知らせします。

2、私の注文に応じて、パワーポイント(互換ソフトでも可)でTV出演や講演用のフリップをつくっていただける方を募集しています。私からデータをFAX送付し、完成品はインターネットで私宛に送っていただくこととし、完成品を私が印刷し、ボードに貼り付けて使用するわけです。引き受けていただける方は、名誉有料読者扱いにさせていただきます。お一人当たりの負担は、半年間でA-4で18枚以下を一応の目安とするつもりです。
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太田述正コラム#2591(2008.6.5)
<新裁判雑記(続々)>

→非公開