太田述正コラム#2471(2008.4.7)
<皆さんとディスカッション(続x105)>

<FUKO>

 民主党の小沢一郎代表は6日午前、フジテレビの番組に出演し、政府が打診した、日銀総裁に白川方明副総裁を昇格させ副総裁に渡辺博史前財務官を起用する人事案について、「(渡辺副総裁案によって)財務省のポストを何が何でも日銀に一つ確保しておきたいというのはよろしくない。党内的には天下りのポスト(確保)という形のやり方はよろしくないという意見が多い」と述べ、反対意見が多いことを明らかにした。
 一方、白川氏の昇格については「(天下りの)問題については障害がない」として容認する姿勢を示した。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2008040600023
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200804/2008040500032&rel=j&g=eco

 太田氏が絶賛されていただけに残念です。
 民主党は天下りとあらば断固反対するのでしょうか?
 太田氏がいつもおっしゃっているように、本当に能力がある官僚がごく稀なため渡辺氏がその煽りを食っているのでしょうか。

<太田>

 白川方明氏は、72年東大経卒、日銀入行。審議役などを経て、02年7月理事。06年7月に理事退任、京大大学院教授。福岡県出身、58歳、という経歴(
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080313dde001020060000c.html
。4月7日アクセス(以下同じ))ですから、彼が日銀総裁になるというのは、文字通り天下りです。
 福田首相が財務省の主流のOB起用にこだわるのは言語道断ですが、財務省(や金融庁?)出身者は一切ダメで、それ以外なら天下りでもいい、という民主党の理屈もまた、私には全く理解できません。
 ちなみに、白川氏は、留学経験がなく、要は学部卒に過ぎません。(法学部卒よりはマシだけど。)
 海外(ニューヨーク駐在)経験はあるものの、たたき上げの金融政策実務家と言ったらいいのかな。
 (以上、経歴は
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/pocketpc/wsea.cgi?W-NIPS=9975373453&RCODE=OB31%2FOB20%2FO08
による。)
 京都大学が受け入れたのも、学者としてではなく、金融政策実務家としてでしょうね。学部の教師は到底務まらなかったはずです。
 だから白川氏は、副総裁には適任かもしれないけれど、総裁としては、はっきり言って軽いという印象を受けます。
 面識もないのに月旦しちゃいけないのですが・・。
 渡辺博史総裁、白川副総裁なら絶妙の組み合わせだった・・年次も渡辺君が一年上(?!)・・のに残念です。

<通りすがり>

総理大臣時代に安倍がいなくても、今日銀総裁がいなくても、福田の言葉を借りれば「たいした混乱はない」ということならば、くだらない大臣や官僚の天下りポストなどなくてもいいのではないだろうか?
 結局糞官僚が日本を仕切っていることに代わりはないのだから、無駄な税金を給料に使う必要はない。
 案山子で十分。

<太田>

 おっしゃるように、福田首相を始めとする政治家や日銀総裁を始めとする天下り官僚らは案山子で十分勤まります。
 実際、そのほとんどは案山子です。
 ただ、現役幹部官僚達だって、自分達の生涯所得の最大化を図るべく、自分達のライフサイクル管理をしているだけであって、日本を仕切る意欲も能力もありませんよ。
 だから、現役幹部官僚達もまた案山子で十分勤まるし、実際、そのほとんどは案山子です。
 何と言うことはない、以上の案山子どもを直接的間接的に操って日本を仕切っているのは、宗主国の米国なのですよ。
 知らなかった?

<コバ>

 --米国民主党の大統領はひどい?--

週刊新潮の変見自在というコラムで、高山正之氏が米国民主党の大統領は「粗野で陰謀好きで狡猾な」性格を持ち合わせていると論じています。
 ドレスデン爆撃、東京大空襲を発案したF・ルーズベルト、原爆を日本に落としたトルーマン、ベトナム戦争を無責任に始めた(下半身にも無責任だった)ケネディ、ケネディに倣ったクリントン。そして、その原因だとの説がある民主党初代大統領のアンドリュー・ジャクソンは「涙の旅路」と呼ばれるチェロキー族の民族浄化作戦を行ったと。
 太田さんの共和党善玉・民主党悪玉論批判を読めていない自分としては、何とも言いがたいのですが、米国が行ってきた残忍な所業は、米国の持つ欧州文明の現れ、もしくは激しい人種差別によるものだったのでしょうか。
 しかし、今のブッシュなんて金正日やアフマディネジャドより世界の平和にとって脅威だとガーディアン紙でお墨付きをもらってますよね・・。

<太田>

 大体からして、米国の歴代大統領は、各自が考えたところの米国の国益と、それに加えて各自の私益に基づいて対外政策を行ってきただけであって、日本人が勝手に日本に対して善玉であったとか悪玉であったとかあげつらってもせんないことです。
 ともあれ、日本で共和党善玉・民主党悪玉論がやたらはびこっていることに呆れて、その批判をコラム#2428と2431(いずれも未公開)で展開したところです。
 具体的には、セオドア・ローズベルト(共和党)「悪玉」論、ジミー・カーター(民主党)「善玉」論を展開したわけですが、リチャード・ニクソン(共和党)「悪玉」論・・日本の頭越しに中共と誼を通じ台湾を切り捨てた・・をつけ加えるべきだったかも・・。
 なお、私にとっては、米国が日本に戦後民主主義を教えたと宣った点だけからしても、ジョージ・ブッシュ・ジュニア(共和党)は「悪玉」です。
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太田述正コラム#2472(2008.4.7)
<スコットランドと近代民主主義の起源(その2)>

→非公開