太田述正コラム#2383(2008.2.24)
<過去・現在・未来(続x3)>

1 ミシュラン東京

 「昨年11月ミシュランが初めて東京のレストランのガイドブックを出したが、このガイドブックによれば、パリ約2万店、ニューヨーク約2万3000店に対し、東京にはレストランが16万店もある。しかも、ミシュランが一つ星以上を与えたレストランは、パリ98店、ニューヨーク54店に対し、東京は191店もあった。」(コラム#2371)
は、以下のように訂正します。

 「昨年11月ミシュランが初めて東京のレストランのガイドブックを出したが、このガイドブックによれば、パリ圏約1万3000店、ニューヨーク圏約2万5000店に対し、東京圏にはレストランが約16万店もある。しかも、ミシュランが与えた星の数は、パリ97個、ニューヨーク54個に対し、東京は191個にのぼった。」

 ちなみに、東京圏で星が与えられたレストランの数は150店であり、最高の三つ星が与えられたのは8店でしたが、パリ圏は10店、ニューヨーク圏は3店でした。
 (以上、
http://www.nytimes.com/2008/02/24/business/worldbusiness/24guide.html?ref=world&pagewanted=print  
(2月24日アクセス)による。)

 数字が違うよというご指摘がなかったところを見ると、どうやら、私のコラムの読者には余りグルメの方がいらっしゃらないと見えます。少なくとも昨年11月以来29万部を売り上げた「ミシュラン東京」をお買い上げになった方はいらっしゃらないようで・・。
 いずれにせよ、ワシントンポストに続いてニューヨークタイムスまでミシュラン東京を取り上げたことは大変なことですね。
 これでますます在日米軍は首都圏(東京圏)から離れたくなくなることでしょう。

2 日本における自殺

 「日本<における>鬱病を中心とする精神疾患や自殺の動向」(コラム#2295。なお、コラム#2290-2(未公開だったが明日公開。なお、連番を付け間違えていた)、及び2291も参照)のうち、自殺の動向について、英ガーディアンが概要次のように取り上げていました。

 日本では、自殺者数が1998年に年間3万人を超えてから、毎年3万人を下回ったことがない。2006年には32,115人が自殺したが、これは10万人に25人が自殺したということであり、毎日100人近く、15分に1人自殺している勘定だ。一番自殺の多い時間帯は男性が午前5時、女性が正午(家族が仕事や学校に出かけた後)だ。日本の人口は米国のほぼ半分だが、自殺者数は米国とほぼおなじだ。1997年には24,391人だった自殺者数が1998年に32,863人へと急増した理由は定かではないが、学校におけるいじめの増加とネット心中の登場のためではないかとされている。世界最初のネット心中は2003年に日本で出現した。(
http://www.guardian.co.uk/world/2008/feb/24/japan.mentalhealth 
。2月24日アクセス)


3 日本のカネ鎖国

 日本のカネ鎖国状態をコラム#2377でも評論家の屋山太郎氏の指摘を取り上げて批判したところですが、これに関連して同じ記事の中で同氏は、経済産業省の北畑隆生事務次官が「経産関係の団体で講演し「デイトレーダーはバカで浮気で無責任」と強烈に批判した。とくに昨夏ブルドックソースを買いに出たスティール・パートナーズを名指しして「キリスト教の7つの大罪のうちかなりの部分がある」と述べたのに外国人投資家たちは大ショックを受けた。北畑発言が英文で流れた2月6日(日経ジャーナル)は<株が>646円も暴落し、「北畑ショック」といわれた。」ことを批判しておられます。

 ところが、讀賣新聞は社説で、「英投資ファンドの・・TCIが先月、20%まで<Jパワーの>株を買い増す計画を経済産業省に届けた。・・Jパワーは、発電した電気を電力各社に販売する卸企業だ。発電出力は1600万キロ・ワットを超え、国内5位の東北電力に匹敵する規模がある。青森県内に原子力発電所の建設も計画中だ。原発は、計画、建設を経て、稼働までに、長い期間と巨額の資金が必要だ。TCIが、短期的利益を重視して、こうした投資に難色を示すことがあれば、日本の長期的なエネルギー戦略に、狂いが生じる恐れがある。・・ 外国為替法は、国が指定する業種の国内企業の株式を、外資が1社で10%以上取得する場合、事前の届け出を義務づけている。電力業界は武器、航空機や原子力など指定二十数業種の一つだ。国の安全が損なわれる恐れがあると判断した場合、計画の変更や中止を命じることが出来る。経産省は、TCIの株買い増し計画が妥当かどうか検討中だが、慎重に判断する必要がある。」と経産省の肩を持ちました(
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080223-OYT1T00703.htm  
。2月24日アクセス)。

 個別の事案についてのコメントは控えますが、英ファイナンシャルタイムスは、北畑発言に対し、外国の投資家達は、日本が世界第二位の経済大国だというのに、しかも日本の株式市場がひどく低迷しているというのに、こんな後ろ向きの発言が飛び出すとはと恐惶を来した、と批判しています。
 そして、この発言以降、企業側が株主を選択しようとする動きや株式持ち合いを通じたかつての系列の復活が促進されている、と報じています。
 (以上、
http://www.ft.com/cms/s/1/737cadfa-e125-11dc-a302-0000779fd2ac.html
(2月22日アクセス)による。)
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太田述正コラム#2384(2008.2.24)
<ビザンツ帝国(その2)>

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