太田述正コラム#2325(2008.1.27)
<皆さんとディスカッション(続x49)>

<まこっちゃん>

 永住外国人に地方選挙権を与える問題は自公どころか民主内が割れそうです。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200801260107.html

<ueyama>

 個人的な、私的な感情のみでの意見ですが、二重国籍を(国籍が複数という状態はある側面からは望ましくないのは確かですが)認め、いわゆる「外国人」の参政権(選挙権)は認めない、という方向が、外国人に参政権を、という議論の中では一番納得できる回答です。
 太田さんの「旧日本領(日本帝国領)」の移民を認めよう、という論にあわせれば、旧日本領の移民を無条件に認め、そもそもその地域の人たちは今でも日本国籍を取得しやすいはずですから、(実際にどのような運用がなされているかはわかりませんが、
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji78.html#a09
日本と特別な関係を有する外国人(日本で生まれた者、日本人の配偶者、日本人の子、かつて日本人であった者等で、一定の者)については、上記の帰化の条件を一部緩和しています とありますので、拡大解釈すればそうとうハードルは低くなるでしょう)
 二重国籍を(それらの人々だけにでも)認めることによって、在日(韓国・朝鮮人)の人も、台湾や朝鮮半島在住の方も、母国を(形式的にでも)捨てることなく、日本国籍を取得するという踏み絵さえ踏めば、参政権を得られるということです。
 個人的な感情として、その踏み絵くらいは踏んでほしい、と感じます。
 日本帝国時代に内地に住んでいる朝鮮半島や台湾の人に選挙・被選挙権があったのは、(彼らは日本人だったのですから)当然のことでしょう。

※逆に、バグってハニーさんの主張のように、無条件に(強制的に)日本で生まれた
 外国人に日本国籍を与える、とした場合、在日(韓国・朝鮮人)の一部の人から
 反発をくらいそうです(あくまでイメージです)

 徴兵・徴用制に関して言えば、実際にそれが運用されるかどうかは別にして、存在するべきだろうと思います。
 スイスでは、女性が国レベルの参政権を得たのは1971年、州レベルの参政権を(全州で)得たのは1990年とわりと最近のことのようですが、それもやはり、女性が兵役義務を免除されていることが原因ではないでしょうか。
http://www.clair.or.jp/j/forum/series/html/switzerland/04.html

<大阪の川にゃ>

 韓国人はたとえ日本が二重国籍を認めても、日本国籍取得を拒否するでしょう。
 日本経済の恩恵は享受したいが、大韓帝国を併合した悪の日本国と歴史を共有したくない人達なのですから、どうしようもありません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%9F%93%E5%B8%9D%E5%9B%BD

<遠江人>

 移民メディア[Migrant Research Media] 日本の移民政策
http://realiser.org/migrant/info-japan.htm
からの引用をまずお読み下さい。

[移民政策]

 日本における移民政策は下記引用文に要約される。

 「日本では法執行的な意味での出入国管理政策は存在するものの、社会政策的な意味での移民政策は存在しない。日本は外国から移民を受け入れないためであり、外国人を入国の段階で永住者として在留許可することはない。原則として永住権の付与は、外国人が一時的滞在者として一定期間滞在し、条件に適合する場合のみ限定的に行われる。」*

*外務省調査月報 No.1 2003年 「オーストラリアの移民政策と不法入国者問題」
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/pr/pub/geppo/pdfs/03_1_1.pdf

[永住権]

 永住権を満たす主な要件は以下の通り。この項目に加え、「素行が善良であること」(前科などがない)「独立した生計を営める資産または技能を有する」こと、「日本の国益に合致すること」などが必要とされる。但し、日本人や永住者の配偶者、子供の場合は、この限りではない。

1.正規の在留資格にて継続して10年以上日本に滞在している人(留学・就学にて入国した人は、10年の内、5年以上の就労資格所持が必要)
2.「日本人の配偶者等」の在留資格を所持し、3年以上日本に住んでいる人
3.「永住者の配偶者等」の在留資格を所持し、3年以上日本に住んでいる人
4.「定住者」の在留資格を所持し、5年以上日本に住んでいる人
 なお、永住権には地方、国政ともに「参政権」は認められていない。公務就任権については、国家公務員に関しては外務公務員は法律で明確に否定、大学教授等は特別法で肯定、ほかは人事院規則で受験資格を与えないことで実質的に否定している。地方公務員に関しては、地方自治体が個別に門戸を開く動きがある。 *
http://www.interq.or.jp/
http://homepage3.nifty.com/takehara/eijyukyoka.html
*http://www.nira.go.jp/pubj/niranews/200001/n11.html

[国籍(市民権)]

 外国人の日本国籍の取得は「帰化」と呼ばれ、永住権取得とは区別される。日本では二重国籍の取得は違法とされているため、母国籍を廃棄しなくてはならない。この政策は、全世界的な多文化政策の潮流のなか様々な議論を呼んでおり、見直しを要望する声も多い。

 日本の国籍取得(帰化)は、その手続き根拠として国籍法第4条第2項に基づいている。主要条件は「善良であり、現在日本に住み、かつ5年(日本人との婚姻の場合は3年)以上日本に住所を有し、また引き続き1年以上日本に住所を有する人とされている。」加えて「自己または生計を共にする配偶者・親族の資産または技能によって充分な生計を営むことができること」とされている。

 申請は管轄の地方法務局で行い、担当官とのインタビューによって要件を満たしている人にのみ申請書類と手引書が渡され、添付書類についての説明が行われる。

 「許可、不許可は法務大臣の自由裁量で決定され、「国籍法に定める要件が全て満たされていても、必ず許可されるわけではない」ということが他の許可申請手続きと違うことに注意する必要」であり、法務省HPによれば「審査基準」も「不服申立方法」も存在しない、とのことである。

(参考)

 帰化許可申請についての詳細は以下引用URLに詳しい:
http://www12.ocn.ne.jp/~office/kokuseki2.htm
法務省: http://www.moj.go.jp/ONLINE/page.html
 過去5年の統計データは下記URL参照:
法務省民事局: http://www.moj.go.jp/TOUKEI/t_minj03.html

 出生時の国籍取得には血統主義を採用している。

 以上、引用終わり

 これらのことから分かるとおり日本は移民の受け入れをしていません。これだけ厳しい条件で、少なくとも普通の労働者には完全に扉を閉ざしています。
 さて、そもそも外国人参政権付与という問題は、’移民を受け入れている’先進国において始めて議論されたり実際に行われてきたりしたことだと思います。国籍の取得をしないもしくはできない在留の人々の権利をどうするかが考えられてきたわけです。日本は移民の受け入れをしていないのに外国人参政権付与がうんぬんされるのは結局、在日韓国・朝鮮人が主な対象だということでしょう。しかし在日韓国・朝鮮人は上記の永住権どころか国籍の取得も容易にできる恵まれた立場にいるにも関わらず、なぜ国籍の取得に踏み切らないかを考えると、特別永住者という特例的な措置があるからではないでしょうか。

特別永住者 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%B0%B8%E4%BD%8F%E8%80%85

 では特別永住者という特例を無くせば自然と帰化するようになって在日韓国・朝鮮人の問題は相当程度解決し、それに伴い相対的に在留外国人の数も少なくなれば、外国人参政権付与の問題も今ほど言われなくなって、めでたしめでたし、となるのでしょうか?
 結局のところ、在日韓国・朝鮮人問題も、戦後日本の移民拒否感情という強固な本音に端を発した、移民拒否政策の副産物でしかないのではないのでしょうか。程度の差はあれ先進’独立’国はどこも移民受け入れを自分の身を削って行って国際上相応の責任を果してきました。日本も早く’人並みに’移民を受け入れるようになったうえで外国人参政権付与の問題が議論されるようになればいいですね。

<太田>

>在日韓国・朝鮮人問題も、戦後日本の移民拒否感情という強固な本音に端を発した、移民拒否政策の副産物でしかないのではないのでしょうか。

 まことに鋭いご指摘ですね。

>程度の差はあれ先進’独立’国はどこも移民受け入れを自分の身を削って行って国際上相応の責任を果してきました。日本も早く’人並みに’移民を受け入れるようになったうえで外国人参政権付与の問題が議論されるようになればいいですね。

 全く同感です。
 考えてみると、日本が敗戦によって180度変わってしまったことの第一が軍事の放擲だとすれば、第二が移民容認から移民拒否への転換であり、この二つの根っこは同じではないかと思うに至りました。
 幕末までの日本の支配層(貴族・武士)は基本的に弥生人の末裔であり、被支配層は基本的に縄文人の末裔だと言えるのではないかと思いますが、弥生人の日本列島渡来は、軍事を放擲していた縄文人が武力抵抗を行わなかったため、基本的に平和裏に行われたものの、被支配民へと転落した縄文人はこの時の屈辱と怒りを深く胸に秘めて2000数百年を生きてきた、と仮定するのです。
 明治維新後の日本帝国の形成に伴う朝鮮半島等の住民の流入は、この縄文人の末裔達に先祖の怒りをフラッシュバックの形で蘇らせた可能性があると思いませんか。
 1923年の関東大震災の際の在日朝鮮人虐殺は、この感情の噴出である、ととらえるわけです。
 1925年の普通選挙権の付与によって、縄文人(の末裔達)が弥生人到来以後初めて法理論上日本の実権を回復したところ、爾後急速に縄文モードへの転換が進み、日本の敗戦によって日本の縄文モード化が完成した、と考えると平仄がぴったり合うような気がするのですがいかがなものでしょうか。
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太田述正コラム#2326(2008.1.27)
<守屋かく語れり>

→非公開