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太田述正コラム#2310(2008.1.20)
<皆さんとディスカッション(続x42)>

<ちんみ>

〜ウィキペディア(Wikipedia)によると、保護国(ほごこく、英:protectorate)とは、
 「本来主権の一部である外交権や国防権など、特に対外主権を自国で行使せず、他国にその権限を譲与あるいは奪われている状態にある国家のこと。植民地の一種と見なされることが多い。宗主国の主権が直接及ぶ直轄植民地と違い、制限付きながら国家主権は認められている。」
 ↑全く現在の日本の姿そのもの・・ですね。 暫し唖然・・口が開きっぱなし。
 太田さん仰る、宗主国(米国)の保護国である日本に、国防はもとより外交政策など存在し得ないことは言うまでもありません。そんなコップの中の争いをしているヒマがあったら 云々・・・外務省キャリアの仕事って ホント〜いったい何やってんだか〜。
 宗主国に逆らうなんぞ とんでも〜でありながら、対ロシア・北方領土問題解決を謳い続けている鈴木宗男もまた同じ穴の狢なんですね〜。
 先ずは我々国民が、日本が属国(保護国)であるっつーことをはっきりと自覚しなければ何もみえてきませんね。。
 日本は、宗主国からの年次改革要望書(命令書)の通り、粛々とその命令に従っているだけ・・・。これって日本人は、管理された”家畜の群れ”であり、一見、安全で食料も自由もあるように見受けられ(錯覚)るけど、生殺与奪権まで握られている、柵のなかのおとなしい羊たちと同じですね・・・。ホント、おとなしい、です。
 その羊たちのなかの一匹が、これはおかしいぞ〜と気づき、このままだと皆食べられてしまうぞ〜と声をあげると、周囲の羊たちは(その不安を払拭するために)こいつは頭がおかしくなったんだ〜と、よってたかってこの羊を仲間はずれにすることで自分たちは(多数派で)安心する。。
 ホントかどうかわかりませんが、ダチョウは危険を感じたら、土の中に頭を突っ込み、周りを見えなくする・・・っつーのを聞いて、現実逃避だろ〜と笑ってしまったが、ふと自分がダチョウのことを笑えるのか〜と。。
 一昨日のTVでの発言、「護衛艦を監視目的で派遣したいがそれでは通らないので、給油艦を派遣し、その護衛という形で護衛艦を派遣したのだ。給油すると言っても有償だと誰も寄りつかないので無償にした、ということ。監視して得た情報は米軍に提供している・・」、とても判りやすかったです。 
 負けるな〜革命家♪

<太田>

 ほう。日本語のウィキペディアもそんな記述になっているのですか。ご教示ありがとうございます。
 ま、英語のウィキペディアを引用した方がもっともらしいと思いますが・・。
 なお、この後のやりとりを読まれると分かるように、日本が属国であることは広汎な日本人の間で結構暗黙の常識であるようですよ。
 いずれにせよ、激励をいただき、ありがとうございます。

<びり江>

 太田総理は開始以来ずっと観ていますが太田さんがご出演されるようになってから面白さが増したと感じています。
 日本が米国の属国であるという主張自体は特に目新しいものではありませんがあのようにズバリと発言出来る太田さんの存在は貴重だと思います。
 これからも是非頻繁に(他の番組にも)出て頂きたいです。

<大阪の川にゃ>

 08/01/18の「太田総理」を見た感想です。

1、平沢氏「インド洋に日本が行かないと、中国が尖閣(沖縄の島々)に侵攻してきたら、米国に助けてもらえない。」
 太田光氏「そうなったら日中で話し合えば良い。米国なんか出て行ってもらう。」
2、平沢氏の意見は、保護国の現状を認めるからこそ、集団的自衛権行使という独立への1歩を志向しているのでしょう。もし保護国のままでいいなら、閉じこもって何もしないのが正しい保護国作法ですから。
3、対して太田光氏の意見は、戦前の幣原外交ではないでしょうか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%A3%E5%8E%9F%E5%A4%96%E4%BA%A4

 つまり、幣原「アジアの事は日中でやる、欧米は介入するな。」です。その結果米英は、日本が抜け駆けをして中国と特殊な関係になったと捉え、以後日本が孤立化する流れになりました。
 まんまと太田光氏はチャイナの日米分断策略に乗っているんですね。

<太田>

 お二人はそんなことを言っていたのですか。
 私は平沢さんや太田光さんが言っていることなどほとんど聞いていません。
 平沢さんへの評価は既に下していますし、太田光さんはこの番組の制作者のエージェントだからです。
 
<Yoshu>

 この番組をアメリカ人に見せて、反応を見てみたいです。多分、日本人に対して、怒り出すか、今以上に蔑視するかのどちらかでしょうね。

<太田>

 出演したサム・ジェームソンさんは、勉強会仲間だった人ですが、米国人です。
 別の勉強会で一緒だったグレン・フクシマさんも米国人ですが、お二人とも私の物の考え方とほとんど同じと言ってよいでしょう。
 お二人とも現在の日本人の安全保障観を怒り、蔑んでいます。
 ジェームソンさんについては、放送された彼の発言からもこのことを感じ取っていただけると思います。
 ところが残念ながら、「右翼」であれ「左翼」であれ、私と物の考え方がほとんど同じ、と言える日本人とは今まで一人も出会っていません。
 恐らく、皆さんがなべて安全保障音痴だからなのだと思います。
 日本のいわゆる軍事オタクの人々さえ大部分が安全保障音痴であるという印象を受けています。全くどうしようもありませんね。
 今後読者の中から私と物の考え方がほとんど同じという方が輩出することを心から願っています。

<FUKO>

ケビンが「日本はアメリカの属国だと言う人がいるけど、・・・」などというようなことを言っていたので、衝撃を受けた視聴者はいると思いますよ!「属国」という響きは強烈ですからね!
 昨日の放送を拝見いたしましたが、(僕が言うのもなんですが)すごく良かったです。
 「基本的な事実をまずおさえないといけない」という発言は、他の人が熱くなっている中、太田氏だけが冷静、という好印象でした!
 革命家である太田氏は視聴者の人気などいらない、とお思いかもしれませんが、革命を成功させるためには大衆を味方につけるということも必要かもしれません。
 「たかじんの〜」は太田氏にあっていると思いますので、また出演して頂きたいです。(そういえば未公開映像(?)がこの前放送されていましたね。「自衛隊が腐敗するのは目的外使用をしろといって金を渡しているからだ」のくだりです。東京では放送されていないと聞いたので一応。)

<太田>

 ケビン・クローンは私の発言に反応したのに、私の発言がカットされているので唐突な印象を視聴者に与えたのではないでしょうか。
 ケビンは米国生まれの米国人っぽい日本人ですが、日本が米国の属国だとは思っていないらしいところは、純正日本人ですね。

<コバ>

 太田さんの主張していることが理解できても、日本が米国の属国で何がいけないの、それが何か問題あるの、と感じる日本人も かなり多くいるのではないかと思います。だって日本は何十年も米国の属国を続けてきたのですから。
 その間に太田さんと似た問題意識を持ち、それを主張する革命家が輩出されなかったことこそ不思議なことです。
 自分も属国の土人なりに、棒切れを持って、犬の糞を投げて、米国と戦いたいところですが、非論理的な 反米人間になってしまいそうです。元々、テキトーなダメ人間なのでそれはそれで正常なのかもしれませんけれど・・・。

<太田>

 「属国であるとは、国がガバナンスを放棄しているということであり、そうである以上、外交・安全保障官庁など存在すべきでないのに、日本が独立国であるという虚構に基づきこれら官庁が存在している」が故に、「これら官庁を中心に統治機構の退廃・腐敗が蔓延化、深刻化し、その状態が半世紀以上経った現在、余りに醜悪な食品偽装問題等が噴出してきている」、というのが私の認識です。
 前段の括弧内が間違っているという議論は成り立たないと私は思っています。
 吉田ドクトリンを墨守する買弁政治家・評論家等・・「右翼」と「左翼」とを問わない・・がよってたかって見て見ぬふりをしてきただけのことです。
 「王さまは裸だ」とTVで叫ぶ私のような人間が現れた以上、日本が米国の属国であることは、日本人の間で名実ともに急速に常識化することでしょう。
 他方、後段の括弧内が間違っているという議論をする人はいないのではないでしょうか。
 ただし、前段の括弧内と後段の括弧内を「が故に」で結びつけるのは間違っている、という議論はありうるでしょう。
 この議論は大いに歓迎です。
 論破する自信はありますがね・・。

>自分も属国の土人なりに、棒切れを持って、犬の糞を投げて、米国と戦いたい

 そんな必要は全くありません。
 米国は日本が「独立」することを千秋の思いで待ち望んでいるのですから・・。
 何度も繰り返して恐縮ですが、日本人は自ら奴隷になり、自ら奴隷であり続けることを希求しているという、世界史上初めて出現した珍民族なのです。

<がんのすけ>

20年近く前(1990年ころ)のことですが、知人から「日本は早いことアメリカの51番目の州にしてもらって、星条旗の 50の白い星印の最後に丸印を追加してもらい、そこを赤い色に塗っておけば一応日の丸にはなるから、それでいいのではないか」という説を聞き、なるほどそうなれば日米の貿易問題も解決するし、ややこしい天皇制も解決しそうだし、国際的なコミュニケーションをとるためにも日本の公用語は英語になるだろうだから、いいことずくめだなあ、と思いました。
 当時でも日本のありようはアメリカの奴隷みたいでしたから、私としては、日本はアメリカの属国である、とするよりも日本はアメリカの植民地である、と言っていただいたほうがしっくりします。これは語感の問題かも知れませんし、私の歴史認識の不足かも知れませんが、そんな気がします。
 私は日本はアメリカに吸収されたら幸せだと思うので、太田さんが、日本がアメリカに吸収されるのを嫌がっておられる理由を、ぜひとも知りたいです。
 えーと、一般的には「過去ログを読め!」というコメントがなされることがありますが、私はそこまで探求心もないし暇もないし太田さんに同調しようとする意志もないし太田さんはそんなに不親切ではないと思うので、せめてその#を教えてください。よろしくお願いします。

<太田>

 外交・安全保障だけを宗主国に委ねているのは保護国であり植民地ではありません。
 もとより、私自身も比喩的に日本は米国の植民地だという言い方をする時もありますが・・。
 さて、属国であることを潔しとせず、しかし、「独立」せずに米国との合邦を目指したいとおっしゃっているのだと思いますが、それには米国の大統領が先の大戦に係る謝罪・・開戦責任や原爆投下についての謝罪・・を日本に対して行うことが大前提ではないでしょうか。
 小前提は、せめてアングロサクソン同士の米国とカナダが合邦する気運が高まることでしょう。
 どうしてそんなことを言うのか、関連コラムを教えろ、と言われても困ります。
 私のコラムの大部分が関連コラムだからです。
 いずれにせよ、どれだけ米国や日米関係について知識をお持ちであろうと、最終的には、米国のために血を流せるのか、それとも日本のためになら血を流せるか、が「独立」か合邦かを選択するメルクマールだと思います。
 独立国の憲法で、市民の徴兵義務を免除しているものはないからです。
 (私が求めているように、政府憲法解釈変更で集団的自衛権行使を可能としたところで、日本国民に徴兵義務が生じるわけではありません。いくら何でもこれも政府憲法解釈の変更でとはいかず、そのためにはやはり憲法改正が必要になるのではないか、と私は現在のところ考えています。)
 なお以上は、米国が日本との合邦を望むかどうかを捨象して論じていることをお断りしておきます。
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太田述正コラム#2311(2008.1.20)
<自由民主主義国と近代的拷問>

→非公開

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