太田述正コラム#2194(2007.11.24)
<額賀さん大好き(続x3)(その1)>(2007.12.28公開)

 (本篇は、言及・引用・転載を厳禁します。)

1 始めに

 前回の補足をしておきましょう。

2 誰が一番悪いか

 リストに載っている人々の中で誰が一番悪いのでしょうか。
 施設部案件の中で登場する政治家の中で4名もが事実の一部を認めていることからすれば、建設部案件(建築・土木事業)に比べて施設部案件(土地買い上げ)に関与した人々は後ろめたさが当時希薄であったことが推測できます。
 それは当然であり、談合構造が、世論の反談合意識の高まりや公共事業費の圧縮に伴い、急速に崩れつつあった中で、建築・土木事業について口利きをすることに当時政治家が強い後ろめたさを感じていたであろうことは容易に想像がつくからです。
 だからこそ、施設部案件とは異なり、建設部案件に関与した政治家は、防衛庁(当時)と強い関係のある人だけなのです。
 リストをご覧いただくとお分かりになると思いますが、建設部案件で口利きがあると、防衛施設庁(当時)は、業者が資格要件を欠いているというケース以外は、自動的に指名していることがうかがえます。
 (落札、つまり受注まで施設庁が面倒を見ていないこともうかがえます。それもそのはずであり、施設庁が、業者が受注するところまで(官製談合によって)面倒を見るのは天下りを受け容れている業者に対してだけであり、政治家が口利きをしてやる業者には通常中小業者が多く、天下りを受け入れておらず、施設庁にとって、OBを天下りなどさせたくない業者であることから、このような業者に受注までさせてやるメリットなど皆無だからです。ちなみに、官製談合が行われていたことは、当時、私は全く知りませんでした。)
 口利きに対して施設庁が自動的に指名することで応えているという事実について、在任中に防衛庁キャリアからそのことを教えられたと思われる額賀・加藤・玉澤の各元防衛庁長官か、自衛官歴がある有力政治家なるがゆえに防衛庁キャリア等防衛庁関係者からそのことを教えられたと思われる中谷衆議院議員や村井宮城県議会議員、くらいしか建設部案件で口利きをした政治家がいないのはそのためでしょう。

 だからといって、施設部案件に関与した政治家が完全に清廉潔白だ、ということにはなりません。
 政治家が政治資金等を提供してくれる特定の個人のために口利きをすることは、役所に対し、当該個人のための特別扱いを求めるためのものであることが少なくないからです。
 現に、施設部案件に関する取材を試みた記者の中で、暴力団風の人間に岸壁に呼び出され、生命の危険を感じたということを私に話してくれた人がいます。

 いずれにせよ、現時点に立って振り返ってみれば、一番糾弾されるべきは、防衛省キャリアたる相澤・大越・上野・依田の4人でしょう。(依田氏は、警察庁キャリアだが、防衛庁で事務次官まで勤め上げたので、防衛省キャリアにカウントしてもおかしくないでしょう。)
 その中でも、口利き当時に現役の防衛庁官僚であった大越氏と、自民党参議院議員として防衛庁の総括政務次官であった依田氏のお二人の責任が最も重い、と言うべきでしょう。
 彼らこそ、職務権限もあると言えそうであり、仮に時効にかかっていなければ、何らかの形で立件されたって不思議ではない人物達であるからです。
 その上、この2人を含む4人のような人々こそ、額賀・加藤・玉澤、更には中谷・村井各氏らに、建設部案件の口利きのうまみを吹き込んだ人々だからです。
 
3 丹呉技術審議官と酒井仙台局建設部長

 当時の防衛施設庁本庁の丹呉技術審議官(現在はOB)と酒井仙台防衛施設局建設部長(現在は仙台防衛施設局長/東北防衛局長)がなぜこれまでしゃべらないのか、また今後しゃべる可能性があるのかを探ってみましょう。

(続く)