太田述正コラム#2258(2007.12.26)
<皆さんとディスカッション(続x26)>

<ひん>

 --官僚と民間の差異について--

 25日の『太田総理・・』拝見しました。
 番組内で太田さんは、官僚を20-30年やってると、民間で使えるのは100人に1人くらい。
 だから、その100人に1人は、民間に自力で行けば良い。そうでない人のために恩給制度を復活させればよいだろうという意見を述べられていました。
 ここで教えていただきたいのは、なぜ、民間では使い物にならないのかということです。
 要するに、民間と違い、官僚は極めて特異な活動をしているから、省内勤務で培った経験が活かせないというのか、あるいは、官僚として省内にいると、多くの方々が指摘するように、「腐敗」してしまったために民間では使い物にならなくなるのか。
 そこを説明していただけると、太田さんのコメントは説得力が増すと思いますし、「何で、官僚のために金を出さないといけないのだ?」という批判もなくなるかと思います。
<よしだ>

 --差異--

 前例踏襲による現状維持と具体的な利益利潤を生み出す必要のない職場に長年いることによって身についた思考回路を「腐敗」と呼ぶのなら、多分、それは腐敗だろう。だが、官僚制度が出来上がって以来官僚の思考回路などそういうものだったと思う。
 だから、太田さんは恩給による天下り廃止しか手はないとお考えなのだろう。

<太田>

 ご指摘のような思考回路自体は「腐敗」とも「退廃」とも思いません。
 ただし、この点を除けば、おっしゃる通りですよ。

<庶民>

 --証人喚問(25日の『太田総理・・』)を見て--

 太田さんの恩給についての趣旨がやっと分りかけてきました。
 しかし、年金だけじゃ足りないんですか?
 厚生労働省のように害悪ばかりで反省の無い役人にまで早期リタイア後のうのうと出来るだけの恩給を払うのは道義的に受け入れられません。
 島村 宜伸みたいなボンボンが政治家では行政改革なんてとてもムリ!
 先日も福田総理がTBSで自らの民間企業での経験を「サラリーマンなんて時間が来れば帰れるし楽なもんですよ」なんて言う始末で、今どきアルバイトか自治 労でも無い限り給与の準拠にしている規模の企業のサラリーマンはキツイのですが、代議士のご子息って仕事も特別待遇のようです。
 お二人とも石油関係ですがいわゆる護送船団の影響なんでしょうね。
 福田さんもトップになったとたんにボロボロで、政治家の資質が悪いのか、それを支える体制、風土の問題なのか。
 宴席や勉強会の官民交流も良いですが、それでは権限を持っている官を民が接待するだけになるのでは?
 職歴の半分くらいは出向させて、そこでの業績、成果も人事に反映すべきではないでしょうか。
 関係法令を整備して国民にとっても現状よりはマシな労働市場を作るべきですが、官僚には転職よりもNPOを含めた起業を推奨しては?

<太田>

>「サラリーマンなんて時間が来れば帰れるし楽なもんですよ」

は、の時のことではなく、1986年から94年まで8年間理事として勤務した金融財政事情研究会の時のことでしょう(コラム#2064)。
 いまだにマスコミが福田さんのこの時のことを詮索しないのは、私には理解しがたいことです。

>福田さんもトップになったとたんにボロボロで、政治家の資質が悪いのか、それを支える体制、風土の問題なのか。

 両方でしょう(コラム#2064、2076、2082、2086参照)。

>官僚には転職よりもNPOを含めた起業を推奨しては?

 官僚にとっては、単なる再就職よりもっと不得手な話だと思います。

<よしだ>

>年金だけじゃ足りないんですか?

 
 年金だけでは良質の人材を集められない。 (一)
民間企業と同じ年金だけでは、必ず50歳で退職しなければならなくなることがわかっているために、官僚になる優秀な人材が 民間企業へと流れる。これは、ひとえに、「給料の総額」の問題である。少なくとも上位民間企業の生涯賃金と同レベルと同等のものを恩給として補填しない限り、22才の就職時に、官僚になる人間の質が落ちる。(二)
 官僚というものは、自分の給料は、「自分がそこ(ポスト)にいるだけで天から降ってくる」という思考回路を持っている。自分の労働で得た給料という自覚が持てないのである。官僚の給料は決して「天から降ってくる」ものではないのだが、官僚を長くやってると、というより、入省して最初の給料が出るときにまず感じ、最初の夏のボーナスが出るときに決定的になる。この感覚は、おそらく制度が生み出すものである。(三)

<太田>

 私の方で番号をつけさせていただいたことをお断りしておきます。
 一はよしださんのおっしゃるとおり。
 その理由として三もおっしゃるとおりです。
 しかし、二は理由になっていないと思います。
 22才の就職時にそんな発想をする人は昔も今も官僚にはならないでしょう。
 ただし、天下りが全廃されたとして、退職後碌に職に就けず、年金が出るまで、また年金が出てからも零落した生活を送っている官僚OBの姿を目の当たりにするようになれば、どんな人も官僚になることを躊躇するようになることでしょう。
 それに、私が何度も申し上げているように、現に官僚OBの大部分は天下りをしてヤミ年金をもらっているのであって、この特権を何の見返りもなく剥奪することは、革命期であればともかく、できることではありません。
 ですから、現在のヤミ年金総額の半分を確保してやるのか、8掛けを確保してやるのか、悩ましいけれど、恩給制度を天下り全廃の見返りとして導入すべきだ、と私は主張しているのです。
 そもそも、(私はそうすべきではないと思いますが、)100%確保してやったとしても、天下りに伴ってゆがめられている行政が正されるのですから、税金の無駄遣いがなくなり、納税者はもちろん国民一般も大いに裨益するはずですよ。

<okano>

 容疑者が警察関係者、有力者関係の場合は特に、警察は真っ当な能力が無くなるようですね。

   ※栃木リンチ殺人事件、警察はなぜ動かなかったのか
     http://www.akuroki.jp/letter_j.html

 ※・・・・そのとき、須藤君の母親といっしょに石橋警察署に行った人物がいます。日産自動車栃木工場総務の「S」という人物です。Sさんの肩書は「総務部付き」というものでした。Sさんは日産に入る前、栃木県警の警察官でした。総会屋事件のときも話題になりましたが、日本の企業はトラブルを処理する時のために、元警察官だった人間を社員として採用します。なぜ日産がSさんを雇ったのか、当時の須藤さんの両親には詳しいことはわかりませんでした。・・・

<太田>

 警察もまた、防衛省、厚生労働省並には少なくとも退廃、腐敗しているという認識をみんなが持つべきでしょうね。

<FUKO>

 ミステリーサークルの件、人間の仕業のようです。
 Wikipediaにだいたい書いてあります。(信憑性には責任を持てませんが、大意は間違っていないと思われます。)
 Wikipediaの他には、
・話題作りのため(村興しのようなもの)
・ミステリーサークルブームに便乗した作物盗み(刈った分を手に入れられる)
などなど。
 話は変わりますが、太田氏はUFO論争についてどう思われますか?
 僕は来るかもしれない地球の外の敵に備えることは大切だと思うのです。(もちろん他にやるべきことはたくさんあると思いますが。)

<太田>

 ミステリーサークルについては、田吾作さんからも同様のご教示がありました。
 教えていただきありがとうございました。
 UFOに備えるべきだとするお考えについてですが、地球人に係る自国の安全保障すら擲っている日本にとって百年早い、ということではないでしょうか。
 石破防衛大臣もUFOにいかれておられるようで、なげかわしい限りです。

<KK>

太田さん

 愛読者のKKです。
 お願いしていた本が一昨日に続き昨日にも届き家人が受け取りました。
 サアーどうしましょうか。
 元々私が振込手数料の高さと後ろの行列に気が走り振込人に太田述正と入力したことが主原因でしょうが、なぜか大秀才の生活音痴を感じ親近感を覚えます。
 太田さんの1000円、私の720円両者損ということで第三者の善人に譲るという案はいかがですか。

<太田>

 そんなにイーバンクへの送金手数料がかかるとは!
 (イーバンクと提携している郵貯からの送金手数料はもっと安いかもしれませんが・・。)
 イーバンクの口座に送金していただくと、ほぼリアルタイムで私に入金があった旨の通知がくるので、イーバンクの口座を指定させていただいているのです。
 さて、「生活音痴」らしい私が申し上げるのも何ですが、720円が惜しければ、イーバンクに口座をお開きになったらよろしかったのでは?
 身分を証明するものをイーバンクにFAX送付する必要こそありますが、口座開設はオンラインででき、数日で発効します。口座開設や口座維持に経費はかかりません。
 そして、(郵貯であなたのイーバンク口座に入金した上で)私のイーバンク口座に送金されておれば送金手数料はかかりませんでした。
 いずれにせよ、あなたが「オオタノブマサ」名で送金された以上、私としては拙著を発送しようがありませんでした。
 催促をいただいたので、送金主が特定でき、拙著を発送させていただいた次第です。
 なお、蛇足ながら、所有者が占有している本等の動産は、棄てようと毀損しようと(公序良俗に反しない限り)完全にご自由ですよ。
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太田述正コラム#2259(2007.12.26)
<1991年の政務次官随行中東訪問記(その2)>

→非公開