太田述正コラム#2195(2007.11.25)
<皆さんとディスカッション(続x5)>

<一身内>

 こんな記事が出てました。
 しかしまあ、最近はなかなか忙しいですね。
 あまり無理はしないように、ご自愛ください。

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 守屋前次官、久間大臣まで尾行させていた (ゲンダイネット)

 元仙台防衛施設局長の太田述正氏(58)が建設会社への“口利き”をバクロしたことで、額賀財務相が一段と窮地に立たされている。
 太田氏は、守屋前次官(63)と防衛庁の同期入庁だが、どうして古巣や同僚の恥となるようなことを言い出したのか。
「太田さんは、守屋との事務次官レースに敗れたひとり。出世のために手段を選ばない守屋のやり方に今も恨み骨髄なのです」(防衛省関係者)
 出世のために陰謀をめぐらす守屋には、省内で敵も多かったのだ。守屋がライバルを蹴落とすために使ったのが、“守屋4人組”と呼ばれる子飼いの部下たち。
守屋に投資話を持ちかけ、4500万円を運用していたとして防衛政策課長を更迭された河村延樹氏、横山文博装備施設本部長、金澤博範防衛政策局長、門間大吉審議官の4人とされる。
 「最大のライバルだった柳沢協二氏(61=元官房長)は、02年に発覚した『情報開示請求者リスト問題』で説明を二転三転させて次官レースから脱落した。
 実はマスコミに『柳沢はウソを言っている』とリークし、2回も訂正会見を開かせたのは守屋とその側近だと言われている。もうひとりのライバル、嶋口武彦防衛施設庁長官(62)の場合は、03年5月の宮城県沖地震の対策会議に酔っ払って出席した一件で糾弾された。守屋が次官に就任したのはその3カ月後のことです」(事情通)
 驚いたことに、守屋は、自分を避けようとした当時の久間防衛相に対しても、隊内の秘密部隊を尾行につけさせ、誰と接触したか報告させていたという話もある。権力抗争のシコリと謀略が渦巻く防衛省。まだまだ爆弾証言が飛び出しそうだ。

【2007年11月22日掲載記事】
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_boueisyou__20071125_8/story/25gendainet02034650/

<太田>

 心配してくれてありがとう。

>「太田さんは、守屋との事務次官レースに敗れたひとり。出世のために手段を選ばない守屋のやり方に今も恨み骨髄なのです」(防衛省関係者)
 出世のために陰謀をめぐらす守屋には、省内で敵も多かったのだ。

 日本の夕刊紙が裏取りをほとんどやらずに書くことくらいは皆さんも想像がつくと思うけど、歴とした主要日刊紙だって大差ないんだよね。
 日本のマスコミを何とかしてくれ!
 それにしても、私と守屋とは年齢差があったこともあって個人的なつきあいはなかったけれど仲は決して悪くなかった、とかねがね私は力説しているところ、何でこんなこと「防衛省関係者」が言うのかなあ。
 守屋が私に対して「出世のために陰謀をめぐら」したことなどないはずだよ。
 彼が私に対してそんなことをするわけがない。
 (大体からして、例示として記事の中に出てくるエピソードが仮に正しいとして、みんな私が2001年に防衛庁を辞めてからの話じゃん。)
 重すぎる荷を背負わされた守屋に一貫して同情してきた私に対し、言う言葉に事欠いて、「恨み骨髄」だなんて、本当に下劣な奴がいたもんだ。

<Fan>

 ・・太田さん<は>・・まるで、犯罪は、国家が規定した要件を満たしていなければ(或いは訴訟技術を用いてごまかすことができれば)グレーゾーンであっても犯しても良い、と言っているように見える・・。
 くちきき(犯罪類型の)も遺失物横領も、技術を用いて、裁判所で負けの確定判決の出ない見通しが立つんであれば、犯したっていい(自分が)、が太田さんの答えでしょう。 ただ各々の犯罪に該当しない「いいわけ」を持っていても、太田さんの良心はブラックなゾーンに足を踏み入れたことをちゃんと認識しています。・・

<太田>

 現在・・「当時」ではないことに注意・・の法令・判例にきちんとあたっていないという意味でアバウトな議論ですが、私は次のように考えています。
 私の仙台防衛施設局長時代に建設部案件(建築・土木)に関してなされた政治家等の口利きは、これにより彼らが利益を得ておれば犯罪(斡旋利得罪)、施設部案件(土地の買い上げ等)に関してなされた政治家等の口利きは、これにより彼らが利益を得ていたとしても、可罰的違法性がないので犯罪にはあたらないが好ましからざる行為、と。
 というのは、前者では口利きがあると原則口利き対象業者を指名競争入札において指名するというヤミルールがあり、行政が歪められたからであり、後者では口利きの結果行政が歪められたかどうかが必ずしも明確ではないからです。
 (このあたりのことは、コラム#2194(未公開)も参照してください。)

 他方、現在の法意識に照らせば、私が拾った10万円をネコババしたら犯罪(占有離脱物横領罪)だけど、それが1万円ならネコババしても可罰的違法性がないので犯罪にはあたらない、と私は考えます。
 いずれにせよ、私はネット上でネコババ意思を(遡って)放棄する旨表明しており、こんな仮定の議論をしても何の意味もありますまい。(遺失物法制上、どうかという問題には立ち入らない。)

 さて、私の仙台防衛施設局長時代の建設部案件に関し、私自身が口利きをしていないことは確かですが、口利きを止めさせたり、口利きを踏まえた指名を止めさせなかった、という点について、私に不作為の懈怠があったと言われればそれを甘受します。
 ただ当時、まだ斡旋利得罪は設けられておらず、しかも、口利きを行った政治家等が、上記ヤミルールの存在を知っていたという確証もなかった以上、私自身、それほど建設部案件に関する口利きを深刻視していなかったことは事実です。
 だからこそ、2001年に、比例区から立候補するにあたって拙著を上梓した際、その中でこの問題を直接的にはとりあげなかったのです。
 その後、法改正がなされたこともあり、このような口利きに対する日本人の法意識も劇的に変わってきたということでしょう。

<shihouen1133>

 ・・罰金30万以下の軽微な犯罪に全力を傾けます・・・!
 わが街の交番では、暇があれば自転車点検が業務です。

<太田>

 そうそう。
 こういう議論こそもっとやってもらいたいですね。
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太田述正コラム#2196(2007.11.25)
<本日の記事等の寸評>

→非公開。

1 始めに

 ・・

2 記事等の寸評<小見出しのみ>

 (1)集団的自衛権問題
 ・・

 (2)韓国の対日トラウマ
 ・・

 (3)できそこないのアングロサクソン・米国
 ・・

 (4)ナオミ・クライン
 ・・

 (5)欧州文明
 ・・