太田述正コラム#2181(2007.11.16)
<皆さんとディスカッション(続x4)>

<遠江人 >

1 新しく読者になられたみなさんへ - アングロサクソン論のすすめ

今回の防衛省不祥事の件で、新しく太田コラムの読者になられた方が多くいらっしゃると思います。
 私は単に古参(確か2003年頃から)の太田コラムの一読者でしかないのですが、ぜひともぜひとも、みなさんに知っていただきたいことがあります。
 それは、太田コラムの主要テーマの一つであるアングロサクソン論です。
 太田コラムの主要テーマの一つは軍事論(安全保障論)ですが、それに匹敵する、もしくはそれ以上に核心とも言えるテーマは、なんといってもアングロサクソン論です。
 太田さんのアングロサクソン論は私が知る限り(少なくとも国内では間違いなく)オンリーワンのとてもユニークな論考です。人によっては賛否があると思いますが、私個人的としては、このアングロサクソン論があるだけでも日本の知識人は逆立ちしても太田さんに敵わないとさえ思っています。
 ごく簡単に箇条書きにすると以下のような感じです。

・アングロサクソン文明と西欧文明(イギリス以外の西欧)は似ているようで実は全く異質の文明。
・世界の近現代史を貫く最大のテーマはアングロサクソン文明と西欧文明の対立。
・アングロサクソン文明は世界史上、他に類を見ない極めてユニークな存在。
・他、アングロサクソン以外に個人主義社会なし、アメリカはできそこないのアングロサクソン、アングロサクソンの本来的理解者は日本人、等々。

と、これだけを読んで変に誤解されるのも絶対に避けたいので、ぜひともブログの横のメニューのカテゴリー別の中からアングロサクソン (32)をクリックして、下の古い方から順に読んでみてください。(32もあると多いように感じますが、太田コラムは読みやすく面白いので、きっとあっという間に読めると思います。さらに太田述正コラム#3<http://blog.ohtan.net/archives/50955832.html>を先に読んでおくといいかもしれません)
 太田さんは少し前にアングロサクソン論について以下のように書いておられました。

 「私が自分のアングロサクソン論の発信を積極的に始めてから、早くも6年経ちましたが、読者の皆さんの中から、同じようなことを他の人も言っているよ、というご指摘が出てこないところを見ると、私の見解はかなりユニークであるようですね。
 これは、必ずしもうれしい話ではないのであって、ひょっとすると、私の見解は箸にも棒にもかからない誤りである可能性があります。
 もちろん、私自身は自分の見解が誤っているとは思っていませんが・・。」

 新しい読者のみなさん、太田流アングロサクソン論とは何かを知った上で、もし同じようなことを言っている人を知っているとしたら、よろしければぜひ掲示板でお知らせください。そして、もし聞いたことの無い考えだという場合は、このアングロサクソン論は価値があるのか本当は誤りなのか、みなさんそれぞれで評価してみてください。特に、実際に欧州にお住まいで現地の文明を肌で感じられる方の意見は、とても参考になると思います。
 世に知られず未だ評価が定まらない新しい見解は、多くの人々の評価でその価値が決まっていくと思います。未だ日の目を見ない太田流アングロサクソン論の価値を決定する試みに、みなさんも参加してみませんか。

2 朝鮮半島からの移民受入論をめぐって

 朝鮮半島からの移民を受け入れるべしという太田さんと、それに反対するみなさんに違いがあるとすれば、特定の国や事象を総体として判断するのに何を第一の根拠とするかに違いがあるように思います。
 ネットで流布されている韓国人や在日朝鮮人の情報は、確かにいろいろな事柄の事実を伝えてはいます。
 しかし問題があるように思うのは、情報を受け取る側が、その(大抵ネガティブな)様々な個別の事実を拡大解釈して、ほとんどの韓国人が同じであるかのように即座に適用することに、あまり疑問を持っていないことのように思います。
 例えば、歴史を捏造して開き直っている韓国人がいるという情報があったとして、それ自体は事実でも、それはその当事者たちがそうだということであって、その他の韓国国民のほとんどが同じ主張をしているのかどうかは正直分からないのではないでしょうか(韓国国民のほとんどがそうだと証明することができていれば別ですが)。このような情報は、参考として見るぶんにはいいと思いますが、それらを積み上げていっても結局、対象の本当の理解には至らないような気がします。
 他方、太田さんはネットで流布されている情報で全体の判断をすることはせず、そんなことよりも韓国の独立した報道機関でありクオリティーペーパーである朝鮮日報の日本語と英語のWebサイトを日々チェックし読み込んで、そこから直接的だったり間接的だったり行間を読んだりして判断するほうがよほど確かであると確信していると思います。そしてその行程を経た結果、確信を持って、韓国の人々は実は親日的であると言っていると思います。
 つまるところ、そんな太田さんはいろいろ批判はしつつも韓国を信じている(就中、過去の大日本帝国の朝鮮半島統治を信じている)し、朝鮮半島からの移民に異議がある人の多く(ネット上で流布している情報は知っていても朝鮮日報の日本語と英語のWebサイトを日々読んでいない人たち)は韓国を信じていない、という違いが生じているように思います。

 太田さんは次のように言っています。

 「韓国人や在日朝鮮人に関心を持っている方々は、とにかく、朝鮮日報の日本語版を毎日読んでみてください。
 本日も、坂本龍馬を絶賛するコラムが載っています。
 (読売新聞の渡邉恒雄会長まで誉めているのはどうかと思いますが・・。)
http://www.chosunonline.com/article/20071113000059
http://www.chosunonline.com/article/20071113000060

 日本の偉人をこれだけ(時代背景も含めて)ちゃんと理解した上で(ハリウッド映画を始めとするアメリカ人の日本人に対する無理解ぶりとは雲泥の差!)絶賛して、自分たちの国にはいない、うらやましい、とまで言う国が他にあるでしょうか。台湾ですら、ここまで日本を理解し親愛の情を込めた報道機関の記事はなかなか無いように思います。
 とかく他国から経済はありがたがられても、文化や歴史は間違って理解されたりまともに理解されない日本です。朝鮮日報が日本の植民地統治を否定している(実はそうでもない?)ことは百も承知で言いますが、私は、このような記事を見ると、日本を正面から理解してくれる国はある、日本は世界の中で一人ではない、と素直に喜びと感謝の情が込み上げてきますが、みなさん、どうでしょうか。

<太田>

 どうも、私の意のあるところを代弁していただき、ありがとうございました。
 なお、私のアングロサクソン論については、ブログで分類されているところの32篇全部を最初から読む必要はありません。まずは、「アングロサクソン論」1〜11の計12篇だけでいいと思います。
 というのは、それ以外は、私の筆力不足もあってややムツカシイからですし、32篇以外でも、例えば米国関係のコラムだってアングロサクソン論の一環だからです。

<岩城 英仁>
 ちょっと教えて欲しいのですが。

1、戦争をしない国

 どこかの国に戦争を仕掛けない(これはもちろんです)。
 挑発されても、それに対して凛とした裏づけのある国になる。
 日米安保が我が国では唯一の国防の要だと思いますが、それ以外にあるか。
 たとえば自衛隊を国軍と正式に認め、我が国を守る(専守防衛)。
 そのためには何をするべきか。

2.誰もが安心して暮らせる国、自分の払った税金等を有効に活用してくれる国

 汚職役人、天下り役人(いい人たちもいるでしょうか)、税金の無駄遣いをなくすようにするには、どうしたらいいか。これを実現してくれそうな政党はありますか。

3.先の大戦(もうずいぶん昔の話ですが、それにこだわる国が若干あるので)の軋轢を解決してくれる政党はありますか。話してもわからない価値観宗教上のどうしようもない問題をあたりさわりなく解決する方法は。

<太田>

1について

 ジェノサイドが行われているといった人道上の理由等に基づいて戦争を仕掛けることは、場合によっては許されると思います。
 また、日米安保は、拡大NATO的なものへと発展的に解消されるべきでしょう。
 専守防衛なら、自衛隊は何分の一かに縮小するのが筋ですが、せっかく整備し、維持してきた防衛力を活かす算段を考えた方が合理的でしょう。
 いずれにせよ、日本が集団的自衛権を行使できるように政府憲法解釈を改めることが大前提です。

2について

 民主党から小沢一派を放逐すれば、自民党よりは民主党の方により期待できます。
 
3について

 中共も韓国も(そして北朝鮮さえ)日本とは軋轢のない良い関係をとり結び、それを維持していきたいと考えています。
 自民党だろうが民主党だろうが、このことについては、それほど心配する必要はありません。

<LIFE>

 私は、太田さんの書かれていることほとんど賛同します(ほとんどというのは、つまり、何が書いてあるか私では理解できなかった部分があったということです)。素晴らしいことを書かれていると思います。
 さて、今回のAU(仮称。コラム#2122)のことについて質問いたします。
 私は、大いに夢があると思うのですが、そういった機関(機構?)とかは、普通どういう手続きをして作られるのですか?太田さんはどういう手法で作るのがよいと思われますか?また、作れると思われますか?私は期待しているのですが・・・
 それと、解散総選挙があるとすればいつ頃だと思われますか?最近この話題が多いので便乗して。
 以上のことをお聞きします。

<太田>

 AU(仮称)については、まずは沖縄の人々がイニシアティブをとって欲しいと願っているのですが、なかなかむつかしいでしょうね。
 そうなると、日韓で機が熟すのを待つしかないでしょう。

 解散の時期については、これから私がやることが、年内総選挙をもたらす可能性があります。
 その場合、残念ながら、どの政党にということではなく、どんな政治家に投票するか、が重要になってきます。
 例えば、自民党については、2世議員や官僚出身議員には原則投票しない、といったことが必要ですし、民主党については、過去自民党に在籍した議員や2世議員には原則投票しない、といったことが必要でしょう。
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太田述正コラム#2182(2007.11.16)
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