太田述正コラム#2179(2007.11.15)
<守屋氏の2回目の喚問>

1 始めに

 本日は、NHKで午前中は参議院における山田洋行・米津社長の参考人質疑を見、午後は守屋の証人喚問を見ました。
 その印象等を申し上げたいと思います。

2 腰の引けている民主党

 午前も午後も、私が予想したとおりですが、民主党は完全に腰が引けている印象を持ちました。
 私の言うところの最重要事である天下り問題を追求したのは実質公明党だけでした。
 天下り問題を追及することは、東祥三元公明党・民主党議員の山田洋行への天下り問題に波及する懼れがあるのにこれをやったというのは、(公明党はずしにつながりかねない)大連立を画策した民主党代表の小沢さんに対する、自爆覚悟の脅しでしょう。

3 守屋から私へのメッセージ(?)

 「浅尾<慶一郎>氏「<宣誓>のなかで、<あなたは>何事も包み隠さずと言った。<山田洋行元専務の宮崎元伸容疑者から、守屋氏とともに接待を受けた防衛庁長官経験者たる>政治家・・2人の名前を・・、不正確なら誰々だと思うとつけて結構なので、挙げてください」
 守屋氏「まあ、あの私の記憶が間違っていたら大変なご迷惑をおかけするので、私の気持ちとしては、軽々に申し上げられない」
 浅尾氏「包み隠さずという宣誓と異なるのでは」
 ここで守屋氏は逡巡する。一拍おいて、重い腰を上げた。
 守屋氏「それでは申し上げますが、久間(章生)先生と、あの、額賀(福志郎)先生ではなかったかと思っております(注)」」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071115/crm0711151531037-n1.htm
 「<守屋氏は、>「ほかにも政治家が同席していたと記憶している」とも証言した。」http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071115/crm0711151537038-n1.htm

 (注)額賀氏(現財務相)は、これを否定した(TV報道)。

→前回の衆議院での喚問の時、守屋は一緒に接待を受けた政治家が2人いると発言しました。いたかどうか記憶が定かではないと逃げなかったのは、いずれこの2人の名前を明らかにする決意を当時から固めていたということでしょう。
 ここで重要なことは、「ほかにも政治家」がいながら、あえてこの2人だけに守屋が言及したことです。(太田)

 (2)久間批判

 「浅尾氏「CX<の>エンジンについての随意契約の話で、自分として声をかけたことはないと言ったが、このエンジンを実は代理店を介さないで契約する、すなわち GEと直接契約するとの検討を、久間大臣が、当時の航空機課長にしたとの指摘もあるが、あなたが在任中に承知していたか」
 守屋氏「在任中報告を受けたことはない。指示もない」
 浅尾氏「在任中知らなかったとのことだが、退職後、久間大臣から聞いたことはないか」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071115/crm0711151531037-n2.htm
 「守屋氏「私が辞めてから久間大臣のところにあいさつにいったとき、大臣からそのように聞いた記憶がある」
 浅尾氏「防衛省の命令系統について聞きます。大臣が事務次官を飛び越えて航空機課長に命令するというのはイレギュラーな命令系統か」
 守屋氏「ものにより、命令だけでなく、指示とか、これを伝えるとか、大臣が省内でやることはいろんな形態がある。私はそのことについて承知していないので、私から実態を知らないで申し上げることは難しいと思う」
 浅尾氏「その件に絡んで、私はGEと防衛省がなぜエンジンを変えないのかと思うが、一部報道で、省内で直接契約できないか検討したが、守屋さんが難色を示したので実現しなかったとあるがそういう事実はあるか」
 守屋氏「少なくとも在職中にそういうことを装備局が検討し、検討結果を私のところに説明にきた記憶はいっさいない」」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071115/crm0711151531037-n3.htm
 直接契約になると、当然、商社は省かれる。すでにGEの代理店の内定を得ていた宮崎容疑者率いる日本ミライズが商権を失うことを意味する。これに対し、守屋氏が難色を示したと報じられたが、守屋氏は「記憶はない」という言い回しで否定してみせた。
 浅尾氏「在職中そういうことはないということだが、あなたが退官後に久間大臣を訪ねたときにそういう話は出なかったか」
 守屋氏「会議が終わっての別れ際、『君に言わないでおいたことが一つあった。GEと直接契約できないか担当課長に指示しておいたから』と別れ際に大臣から聞いたことがある」
 浅尾氏「そのことを聞いて、どう思ったか」
 守屋氏「私は当時辞めているので、辞めている人間に対して、どうしてそういうことを話すのかと違和感を持った。当時はそれだけ」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071115/crm0711151531037-n4.htm

→このように、反日本ミライズ的策動を行った久間氏に対する憤懣があったからこそ、守屋は久間氏の名前を出して意趣返しをした、と解されます。
 同様、守屋が額賀氏の名前を出したのも何らかの意趣返しを意図したものと考えられるところ、それがいかなる憤懣に対する意趣返しなのか、守屋は直截的には何も言っていません。(太田)

 (3)額賀批判と私へのメッセージ(?)

 その手がかりになるのは、守屋の証言中の、

 「山本<一太>氏「航空機課長、施設部長、官房長および事務次官在職中に政治家から契約関係について何らかの圧力を受けたことはあるか」
 守屋氏「えー…特に…建設関係でですね、防衛省の仕事をやりたいから、この会社をあのー、防衛省に登録するためにはどうしたらいいのか、とか、あるいはこういう仕事に参加したいからそのときにはどこに行ったらいいのかという風な相談を受けてそれぞれの担当先を紹介した記憶はある」」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071115/crm0711151634043-n1.htm

というくだりです。
 守屋は、「政治家から契約関係について何らかの圧力を受けたことは」ない、と答えればよいところを、あえて装備関係ではなく、建設関係に関し、思わせぶりな答え方をしました。
 ここで私はピンと来ました。
 守屋は私にシグナルを送っているのではないか、「太田、後は頼むぞ」と。

 守屋は、過剰接待問題について、「責任はとるつもりです。退職金を返納する覚悟だ」と述べた上で、「刑事罰に該当したとしても、逃れるつもりはない」とも述べ、今後予測される東京地検特捜部による収賄容疑での立件について、これを受け止める態度を表明しました。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071115/crm0711151537038-n1.htm

 その言や良し。
 まかしておけ、守屋。
 お前の憤懣は晴らしてやる。
 そのために一体私が何をすると思います?
 皆さん、まあ見ていてください。
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太田述正コラム#2180(2007.11.15)
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