太田述正コラム#2169(2007.11.9)
<二つの公開質問状>

 (有料読者の皆さん。2回続けて公開コラムを配信するのをお許し下さい。)

1 始めに

 昨日、ついに検察が宮崎前日本ミライズ社長と山田洋行元執行役員を逮捕し、守屋事件の立件に向けて明確な動きを示しました。
 このことを報じた新聞記事を見て、公開質問状を2通したためたのでご披露します。

2 土屋泰昭氏への公開質問状

 「二十数年前のことだ。当時大蔵省(現財務省)主計局で防衛庁の予算を担当していた同省元幹部は、まだ防衛庁経理局の若手だった前事務次官、守屋武昌(63)に会食に招かれた。席に行くと、見慣れぬ男性が同席していた。当時は山田洋行の取締役だった同社元専務、宮崎元伸(69)。予算を握る主計局職員を各省庁がもてなす「官官接待」が横行していた時代のエピソードだが、「タニマチのような業者を会食の場にまで連れてくる人はいなかったので、奇異に感じた」と元幹部は振り返る。元幹部が「当時は社名すら聞いたこともなかった」という山田洋行の名が一躍鳴り響いたのは、平成に入ってからだ。防衛関連業界で今も語り草になっているのは、平成元年、米ゼネラルエレクトリック(GE)が開発したF2支援戦闘機エンジンの販売代理権を山田洋行が三井物産から奪取した出来事だ。・・」(
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071108/crm0711082143035-n1.htm
。11月9日アクセス。以下同じ)

 土屋泰昭さん、ご無沙汰しております。
 私の高校の先輩でスタンフォード・ビジネススクールでは私の2年後輩にあたるという関係から、当時確か既にGEジャパンの副社長でいらしたあなたは私に、1991年頃、同期の守屋を紹介して欲しいと持ちかけられ、3人で六本木で昼食を共にしたことがありましたね。
 上記記事が正しいとすると、当時、GEの代理店は山田洋行ではなく三井物産だったようですが、あなたは、一体何の目的があって当時航空機課長であった守屋に接近しようとされたのですか。
 その後、GEが代理店を三井物産から山田洋行に変えたことにはあなたも当然関与されたはずですが、代理店変更の理由は何だったのですか。
 また、昨年山田洋行から日本ミライズが分離独立した際、GEは代理店を山田洋行から日本ミライズに変更しましたが、その理由もお聞かせ下さい。
 そもそも、商社を通してエンジンを防衛省に納めてきたのはどうしてなのですか。それはGE側の意向だったのですか、防衛省側の意向だったのですか。
 代理店時代の山田洋行から米本土でGE関係者が守屋が受けていたような接待を受けていたという報道も一部でなされていますが、これは事実なのですか。あなたご自身も山田洋行の接待を受けておられたのでしょうか。
 聞くところによると、あなたは今年5月にGEジャパンの副社長をお辞めになったそうですが、これはどういうことだったのでしょうか。
 メディアが全くあなたのことを報道しないし、国会であなたを参考人招致等をする動きも全くないので、僭越ながら、私が質問をさせていただきました。
 これだけ世間を騒がせている事件の重要な関係者でいらっしゃるのですから、土屋さんには以上のような様々な疑問に対してきちんと説明をする責任があると私は思います。
 ご回答をぜひお願い申し上げます。

3 田村氏への公開質問状

 「山田洋行・・の躍進を支えたのは、<宮崎による>きれいごとの営業活動だけではない。空自幹部学校長(空将)で退官し、平成元年に参院議員となった田村秀昭(75)=今年7月に不出馬で引退=の存在を抜きにしては語れない、と山田洋行元幹部は言う。
 田村は現役空将だった昭和60年代から山田洋行にホテル宿泊費などの負担を受け、平成元年の参院選に初出馬した際は、山田洋行が2億円の選挙資金を捻出していた。宮崎はこの参院選前後に田村の後援会「真一会」を設立しており、田村が政治家になっても支援を続けた。「田村さんの政界進出と軌を一にして山田洋行が急成長した。田村さんの影響力が働いたのは確かだ」。山田洋行元幹部はこう断言した。・・<田村氏は、>民主党代表の小沢一郎(65)とともに野党を渡り歩いた・・」(
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071108/crm0711082143035-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071108/crm0711082143035-n3.htm

 田村秀昭さん、ご無沙汰しております。
 上記記事によれば、18年前のあなたの初出馬の際、山田洋行が2億円もの選挙資金を提供したということですが、どのようにして航空自衛隊在職中に山田洋行とそのような密接な関係を築かれたのですか。
 また、これだけの資金を提供してくれた企業に対して、あなたはどのように報いたのですか。
 小沢さんとは常に行動を共にされてきたあなたが、最後に小沢さんから離れて国民新党に移られた本当の理由は何だったのでしょうか。
 東元民主党議員を山田洋行に紹介されたのはあなただと聞いていますが、それは事実ですか。事実だとして、東氏をどのような理屈をつけて山田洋行に売り込まれたのでしょうか。
 小沢さんが山田洋行から政治資金をもらっており、最近これを小沢さんはお返しになりましたが、小沢さんと山田洋行の間をとりもったのも田村さんではありませんか。
 ひょっとして他の防衛関係企業からも政治資金が小沢さんに入るようにあなたが手配をされていた、ということはありませんか。
 守屋事件に関連してメディアはあなたについても若干報道を行うようにはなりましたが、あなたを国会に参考人等招致をする動きが全くないので、私が質問をさせていただきました。
 田村さんは、18年の長きに渡って自衛隊関係者の衆望を担って参議院議員を勤めてこられた方なのですから、以上のような様々な疑問に対してきちんと自衛隊関係者ひいては日本国民に説明をする責任があると私は思います。
 ご回答をぜひお願い申し上げます。