太田述正コラム#2161(2007.11.5)
<皆さんとディスカッション>

<michisuzu>
せっかく守屋ラインでの政治家ルートの解明に移っていた国民の関心が昨日の小沢さんの辞任発言でもはや、吹っ飛んだ感じがします。
日本人は本当に次々と興味が移っていきます。
間違いなく幕引きになりそうな予感がします。
太田さんのブログを見ると小沢さんの方がもっと大きな障害を抱えてそうで逆に小沢さんが守屋ラインのもみ消しの為に自爆テロを仕掛けたようにすら思えます。
何が本当かは10年先にしかあるいは永遠に私達には分からないのでしょうね。

<太田>
 民主党の執行部は、(小沢憲法理論を取り入れた)自衛隊海外派遣基本法制定に向けて自民党との政策協議を行う一方で、事実上給油継続を容認する、及び、守屋問題に蓋をする・・今週予定されていた参院での守屋喚問は中止の方向?・・、というラインで小沢さんを窮地から救おうとしているように見えます。
 このラインなら窮地から救われるのだから、小沢さんはもはや自民党との大連立などという大風呂敷を広げる必要はなくなる、だからぜひ代表を継続して欲しい、というわけです。
 しかし、そうなると、吉田ドクトリンと政官業癒着体制に象徴される戦後体制が引き続き日本で継続することになりかねません。
 だけど、私は希望を棄ててはいません。
 私は検察は、必ずや官僚や政治家を含めた形で、年内にも山田洋行・日本ミライズ事件の立件に向けて具体的な動きに着手してくれるものと信じています。
 また私は、残された野党である社会民主党や共産党の頑張りにも期待しています。彼らの手によるGEの追及や山田洋行と小沢さんとの関係の解明が待たれるところです。

 この関連ですが、11月7日付の社会新報15面に、次のような私のコメントが掲載されています。
 「外国企業からの防衛装備の調達に商社が介在しているのは、"逆マネーロンダリング"目的です。つまり商社で、防衛省が国民から預かった税金というきれいなカネが汚いアングラマネーに変換され、その商社、防衛省、自民党系政治家、そして輸入元の外国企業の間で山分けされるわけです。商社から防衛省へのキックバックは、もっぱら防衛省OBの天下りの受け入れという形で行なわれます。これに比べれば、今話題になっている接待など金額的にはゴミみたいな話なのです。」
 (10月30日にオンエアされた日テレの「NTV Newsリアルタイム」でも、私はほぼ同趣旨の話をしたのですが、「自民党系政治家」の「自民党系」が巧妙に消されていました。やはり、権力のお膝元では、こういった細かい配慮が必要なのでしょうね。)
 また、本日社会新報の記者のインタビューを受けましたが、次回の社会新報に一頁を丸々使った私の写真入りの記事が掲載される予定です。

<たかじん視聴者>
ソ連の脅威論が嘘だということについてブログで解説をお願いできませんか?

<太田>
 ソ連脅威論が嘘だと知っていて白書で脅威論をぶったのかと「たかじん・・」で常連出場者達から突っ込まれた時、「行間を読んでもらえば(ソ連脅威論が嘘であることが)分かるようにした」という趣旨の発言をしましたが、これは、「春秋の筆法で」と言おうとして、むつかしい言い回しをし過ぎるという批判が起きるかもしれないと思い直し、「行間を読んでもらえば」と発言したものです。
 結構私も色々考えながら出演していたのですよ。

 さて、ご要望についてですが、コラム#30と58をお読み下さい。
 それだけでは身も蓋もないので、ちょっとサービスしましょう。(国家機密をバラしたと逮捕されない方に賭けましょう。)
 私がかつて防衛庁防衛局防衛課(当時)で防衛政策を担当していた1980年代初頭、初めての(日本がソ連の侵攻を受けた場合に発動される)日米共同作戦計画案が統幕から私の所に回付されてきた時のことです。
 「自衛隊は、無制限対潜水艦戦を発動する」というセンテンスを発見した私は、「大変です」と言って防衛課長室に飛び込んだことを今でもはっきり覚えています。
 この一見何の変哲もないセンテンスの行間を読むことで、私は極東における対ソ戦での米国の大きなねらいの一つがソ連の戦略核搭載原子力潜水艦の撃破にあることに気付いたのです。
 その後今度は、この共同作戦計画において、米軍が異常に大きな兵力を日本列島に展開することになっているのも気になり始めました。
 その頃、海幕防衛課のスタッフ達と議論をしている中で、私は、米軍の大兵力の日本展開目的が、日本防衛というよりは対ソ侵攻を目的としているに違いないという心証を得、自分で様々な米国の公刊資料を読み、米国が、欧州や中東でソ連軍が侵攻してきた時に、極東というソ連にとって最も軍事的に脆弱な地域で反攻作戦を行う計画を持っていることを「発見」したのです。
 ご参考になりましたか?