太田述正コラム#2056(2007.9.11)
<退行する米国(その17)>

 最後は、ブッシュ論ということにならざるをえません。

 既にこれまでに何度か(コラム#104、507、509)ブッシュ論を展開してきているところですが、コラム#509で、「ハーバードビジネススクールでの二年間の<ケースメソッド中心という>「誤った」教育によって、ブッシュの判断能力は歪められ、かつ発達が抑えられてしまい、そのことが、その後の経営者としてのふがいない成績・・につながったほか、大統領としては、その構想力・実施能力・予見能力の欠如をさらけ出すこととなり、アングロサクソン世界、とりわけ英国における不評を買う大きな原因をつくった、という可能性は大いにある」と申し上げたことを覚えておられる方はいらっしゃるでしょうか。

 当時は知らなかったのですが、2004年にオンライン雑誌に、1973〜74年にブッシュのハーバード・ビジネス・スクール時代に彼にマクロ経済学を教えた鶴見Yoshi教授(現在ニューヨークのバルーク・カレッジ(Baruch College)の教授)がブッシュの思い出を語っています。
 鶴見教授によれば、ブッシュは問題学生でした。よく遅刻したし、クラスでの議論にほとんど参加せず、一番後ろの席にすわり、テキサス州兵(空軍)の爆撃兵用のジャケットを着て噛みタバコを紙コップに吐き出していたというのです。
 また、ブッシュの成績は一番下の10%層に入っていましたし、他の学生とうまくやっていけず、そんなことでも教師の世話になっていたというのです。
 それどころではありません。
 ブッシュは病的なまでにウソつき癖があり、その先入観や偏見を問題視されるとすぐむくれ、30秒前に言ったことすらそんなことは言っていないと否定する、という有様だったというのです。

 (以上、
http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/II11Ak03.html
(9月11日アクセス)による。)

 ハーバード・ビジネススクールの教育に問題があるとかないとか言う以前に、ブッシュはどうしようもない学生だったということです。
 多様な学生を入学させるところに、米国の大学(学部レベル)やビジネススクール(大学院レベル)の強みがあるのですが、まれにはこんなブッシュのような人間が入学してしまうこともあるわけです。
 しかし、上記コラムの筆者も指摘しているように、大統領が直接選挙で選ばれてしかも民度が低い米国のような国では、えてしてこういう悪ガキ的人物が大衆の人気を博するものなのです。
 ブッシュのような大統領候補者がゴアやケリーのような品行方正の優等生を破ることができたのは、そのためであると言わざるをえません。

 ここで、米国の民度の低さにも触れておきましょう。
 現在でも米国人の約40%は、サダム・フセインが9.11同時多発テロに関与していたと信じていますし、半数以上が連邦予算に占める対外援助の割合は20%前後だと思いこんでいるのです。実際には連邦予算の1%でGDPの0,1%に過ぎず、先進諸国中、最低水準であるにもかかわらず・・(アジアタイムス上掲)。

 以上読んでこられて、皆さん、暗澹たる気分になられたのではないかとお察しします。
 そう。日本はこんな国の保護国なのですぞ。
 日本は一刻も早く米国から独立すべきだと思いませんか。
 その上で日本は、東アジアにおける文明開化の旗手であった過去の経験を踏まえ、英国等、米国以外のアングロサクソン諸国と手を携えつつ、ファシスト国家になりつつある米国を正気に戻し、善導しなければなりません。
 そして、米国を立てつつ、世界の平和と繁栄、そして自由民主主義の普及のために尽力をしなければならないのです。

(続く)