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太田述正コラム#12942006.6.13

<経済社会の英国モデルと米国モデル(その5)>

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 第二回のオフ会の開催を正式にご案内します。

 7月8日(土)1400??1730。場所は、第一回同様、練馬区豊玉南3-10-12-305の私の事務所(電話:03-3992-3342)。会費500円。

 西武新宿線野方駅の改札口を出て右手の踏切を渡り、そのままずっと歩く。右手にブックオフが見えたら道程の半分くらい。そのまま更に進み、左手に駐車場があって前方にサークルKサンクスの案内板が見える四つ角を左折し、最初の左手のマンションの3階305号室。

出席希望の方は、私宛のメールで、あるいはこの掲示板上でお知らせいただければ幸いです。 

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 (本篇は、コラム#1276の続きです。)

(4)米国経済の懸念要因1:借金狂の米国人

過去5年間だけでも、米国の住宅を担保とする債務総額は3兆米ドル近く増えています。このうち、住宅購入にあてられなかった分が2004年に6,000億米ドルに達しました。

IMFの推計によると、この分だけで、2000年には家計可処分所得の2%だったのが、昨2005年の第三四半期には9%を超えています。

それだけではありません。

1960年代と70年代の平均ではGDP13%であった消費者ローン総額は、この10年間でGDP18%前後にまで増えています。今年4月時点で一家族当たりのクレジットカードの債務残高は7,600米ドルにも達しているのです(http://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-boss12jun12,0,7632482,print.story?coll=la-news-comment-opinions。6月13日アクセス)。

この結果、個人貯蓄率は、15年前には家計可処分所得の7.5%であったのに、今ではマイナスとなってしまっています(注8)。

(以上、特に断っていない限りhttp://www.nytimes.com/2006/06/11/magazine/11national.html?_r=1&oref=slogin&pagewanted=print(6月12日アクセス)による。)

(注8)公的部門と企業を入れた国家総貯蓄率で見ても、1960年代の平均は13%であったのに、昨年はたった0.8%だ。

最近では、最初から借金を背負って社会人となる米国人も増えています。一つには、大学生の奨学金が供与から貸与に変更されてきていることに伴い、奨学金ローンを抱える学生が増えたから(コラム#1276http://www.nytimes.com/2006/06/11/magazine/11loans.html?pagewanted=print(6月12日アクセス))であり、二つには、オンライン・ギャンブル、就中オンライン・ポーカーにはまって借金を抱える学生が増えつつある(注9)(http://www.nytimes.com/2006/06/11/magazine/11poker.html?pagewanted=print。6月12日アクセス)からです。

(注9)昨年一年間にオンライン・ギャンブルをやったことがある大学生は大学生総数1700万人中、160万人に達している。

米国では、かつては借金は悪とみなされていました。

フランクリン(Benjamin Franklin)は、その箴言集の中で、「借り手は貸し手の奴隷だ」とか、「倹約することで自由たるべし」と言っています。そもそも、20世紀初頭まで、ニューヨーク市を含む全米の様々な場所で、借金が払えないと投獄される制度があったくらいです。

 これが急速に変わり始めたのが、19世紀末から20世紀初頃であり、1950年代にもなると、あのガルブレイスを、米国人のピューリタン的な、まず貯金をして楽しみは後にとっておこうという精神は跡形もなく消え失せてしまった、と嘆かせたのでした。

(以上、特に断っていない限りhttp://www.nytimes.com/2006/06/11/magazine/11wwln_lede.html?pagewanted=print(6月12日アクセス)による。)

(続く)

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