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太田述正コラム#1888(2007.8.1)
<民主党へのアドバイス>

 (本篇は情報屋台の掲示板への投稿であり、即時公開します。)

 今次参院選に大勝した民主党への私のアドバイスは、安倍おろしを画策するのは当然として、健康不安に藉口し、あらゆる機会をとらえて小沢代表おろしも画策せよ、ということです。

 現在、米国政府の支援、より端的にはCIAの支援を受けてきた清和会の安倍首相の自民党と、保守本流の経世会のドンであった小沢代表の民主党が対峙している形になっていますが、安倍、小沢両氏の対峙は、55年体制における日本の政治全体及び自民党内のタカ派とハト派のなれ合い的対峙という過去の遺物を引きずったものであり、早急にその精算が必要です。
 民主党は小沢氏の後任の代表にタカ派的人物を就ける必要はありませんが、少なくとも旧来のタカ派とかハト派イメージを超越した人物を代表に就けない限り、今次選挙で民主党に票を投じた自民党支持層や無党派層の多くは、文字通りの政権選択選挙となる次の総選挙の際、民主党に票を投じることを躊躇することでしょう。

 ちなみに、タカ派は宗主国米国という谷町(タニマチ)がいたゆえにクリーンなイメージをふりまいて来ることができたのに対し、ハト派は公私のカネの力でこんなタカ派に対抗せざるをえなかったがゆえにダーティ・イメージに甘んじてきました。
 小沢氏にもダーティ・イメージがついて回っています。
 それだけに、小沢氏が今回の選挙で打ち出して大成功を収めたところの、民主党が政権をとったら地方へカネをバラマキますよというマニフェストは、財源の問題はさておくとしても、本当にかつての自民党のそれとは違うのか、小沢氏が代表である限りは、疑念が次第に大きくなってくるのを避けられないであろうことも考える必要があります。

 両氏は、どちらも世襲政治家(安倍氏は3世、小沢氏は2世)であって、どちらも学歴あるいは弁護士資格の有無といった知的面において父親に比べて見劣りしつつも、父親の選挙地盤を受け継ぐことによって若くして容易に衆議院議員に当選することができ、しかもつい最近まで年功序列制であった自民党の中で相対的に重用され続けた、というお坊ちゃんである上、どちらも、それぞれの父親である安部晋太郎(それに加えて母方の祖父岸信介)と小沢佐重喜のタカ派、ハト派としてのカラーまで忠実に受け継ぐという主体性のないお坊ちゃんでもあります。
 お坊ちゃんである証拠に、安倍氏は、閣僚に任命したお友達が問題発言を行った際、あるいは政治資金がらみの問題を引き起こした際、彼らへの私情を優先させて、馘首するどころか叱責しようとすらしませんでしたし、小沢氏は民主党大勝利の当日とその翌日、入院する必要のない程度の体調不良を理由に雲隠れするという、横綱朝青龍に勝るとも劣らない我が儘ぶりを発揮しました。
 ですから、安倍氏は間違って首相になってしまったとしか言いようがありませんし、小沢氏もまた、到底首相の器ではないのです。

(参照)
高成田氏の問題提起:http://johoyatai.com/?page=yatai&yid=50&yaid=529

太田述正コラム#1884「参院選の結果」(小沢論を兼ねる)
       #1886「参院選の結果(続)」(小沢論を兼ねる)
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       #1877「天川勇氏のこと」
http://johoyatai.com/?page=yatai&yid=57&yaid=523

小沢佐重喜について:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%B2%A2%E4%BD%90%E9%87%8D%E5%96%9C

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